NTTデータ経営研究所は11月8日、国土交通省およびWheeLogとともに、多くの人による投稿情報などを利用した実証実験を12月1日に実施すると発表した。
実証実験では、車いす利用者の投稿情報などを利用したバリアフリーマップの作成に向けた情報収集のため、東京都豊島区内の地域を、車いす利用者に加えて学生やボランティアメンバーなど健常者も含めて、バリアフリー情報の収集を行う。
国土交通省はユニバーサル社会の実現に向けて、車いす利用者が持っているスマートフォンのGPS情報などのプローブ情報や住民投稿情報を利用して車いす利用者が通れる経路を地図上に登録することで、他の車いす利用者の移動支援を行うなどICTを利用した歩行者移動支援サービスの普及展開を目指し、バリアフリー・ナビプロジェクトを推進している。
NTTデータ経営研究所は国土交通省から委託を受け、持続可能な歩行者移動支援サービス構築に向けた検討及び実証事業を進めている。
2018年度は、ICTを利用した歩行者移動支援サービスを支えるバリアフリー情報(車いすなどで移動する際に障害となる段差や多機能トイレなどの情報)の収集促進に向けて、車いす利用者に加えてボランティアや学生などの参加を広く募り、地域内のバリアフリー情報を収集するイベントの開催及びイベント後の日常生活の中での収集などを通じて、多くの人の参加に向けた方策や投稿促進のための工夫および、継続的に情報収集できるモデルなどの検証を行う。
同実証では、イベント開催と日常的なバリアフリー情報の収集を実施する。バリアフリー情報の収集イベント(街歩きイベント)の開催では、車いす利用者とボランティアや学生など多様な人が池袋駅周辺を協力して探索し、道にある段差や施設にある多機能トイレなどのバリアフリー情報を収集。
参加者の募集は、豊島区内の大学、生涯学習大学の生徒、障がい者団体加入者、豊島区内外のボランティア団体など、多くの人の参画を目指して行う。日常的なバリアフリー情報の収集については、参加者が自身のスマートフォンにアプリ「WheeLog!」をインストールし、日常的な移動の中で気が付いたバリアフリー情報を、アプリを用いて投稿する。
なお、同アプリはiOS版・Android版の双方で提供しており、全国で利用可能。参加者は、上記イベント参加者に加えて多様な団体と協力し、募集する。投稿した情報は、利用者がWheeLog!で閲覧し利用し、利用例として良い投稿に対しては「いいね!」が付けられるという。
なお、バリアフリー情報の収集イベント参加希望者は、アプリの登録とは別途、専用の申込フォームからの申込が必要となる。同社は今回の実証を通じ、全国のバリアフリー情報の収集・利用に向けた取組みの普及を目指す。