アビームコンサルティングは9日、金沢市企業局が取り組む、RPAを活用した業務効率化の試験導入プロジェクトにおいて、ロボット導入・開発から導入後の研修実施まで、プロジェクトを総合的に支援したことを発表した。

地方公営企業として、ガス、水道、下水道、発電、工業用水道の5つの事業を運営する金沢市企業局は、経営の高度化・効率化に取り組んできた。今回、さらなる業務の効率化を目指して同プロジェクトを実施し、公共分野におけるコンサルティング実績とRPA導入の豊富な経験を有するアビームコンサルティングを業務委託先として選定したという。

アビームコンサルティングは同プロジェクトにおいて、RPAの有効性の確認を目的に同局の主要システムを網羅しロボット化の難易度が高い業務に対しRPA適用を進め、「時間外勤務手入力業務」、「インターネット受付情報印刷業務」、「地図情報閲覧印刷業務」の3つの業務において自動化を実現した。これにより、年間で約500時間の削減を見込んでいるという。

時間外勤務手入力業務では、各課の担当者が手作業で行っていた一連の業務をRPAにより自動化したことで、入力ミスや登録漏れを防ぐだけでなく、複数課・複数職員の情報を一度に登録することで業務時間の削減を実現した。

インターネット受付情報印刷業務では、これまで担当者が行っていた水道・ガス使用に関する申し込み情報の紙媒体への印刷から申し込み件数の集計、申し込み情報の削除、関係者へのメール通知といった一連の業務をRPAにより自動化することで業務時間を大幅に削減したほか、申し込み情報の正確な管理を実現。従来印刷物の紛失を考慮し即時削除できなかった情報を自動でPDF化することで、紙媒体ならではの業務を考慮した効率的なプロセスに変更した。

地図情報閲覧印刷業務では、手作業で行っていた工事実施場所周辺の地図情報の読み込みおよび印刷作業をRPAにより自動化することで、複数工事実施場所の地図情報を一括印刷できるようになり、業務の効率化と印刷漏れを防ぐプロセスを確立。作業頻度が高い手作業を中心としているため、同業務で培ったノウハウは同様の特徴を持つ他の課の業務への横展開も見込んでいるという。

同社は、今後の本格導入を見据え、RPAの導入・開発のみならず、ロボット開発者のための研修を実施し、業務担当者自身がロボットを開発・運用していくための仕組みづくりを支援したとしている。