西日本電信電話(NTT西日本)と日本マイクロソフトは11月8日、NTT西日本が策定した「地域創生クラウド」構想の実現に向けた第一歩として、自治体向けクラウドサービス基盤の導入・展開において協業を開始することを発表した。

  • 自治体分野における協業内容

    自治体分野における協業内容

両社は、西日本エリアの地方自治体向けのクラウドサービス基盤の導入・展開について、地方自治体が利用するアプリケーション群を提供してきた地域のパートナー企業各社とも連携しながら進めていくことに合意し、今回の協業を発表した。

自治体向けクラウドサービス基盤の導入にあたり、日本マイクロソフトの先進性の高いクラウド技術と自治体への支援プログラムをフル活用し、自治体システムに親和性の高いハイブリッドクラウドを提供する。

地方自治体が保有するシステムにおいては、データの保管場所が県内などに特定される運用が求められるものもあるため、要件に応じてプライベートクラウド、パブリッククラウドを最適に組み合わせるハイブリッドクラウドの活用が課題となっている。

今回の協業において、パブリッククラウドであるMicrosoft Azureと同様の技術からなるAzure StackをNTT西日本の地域データセンターに構築することで、機密データの保管場所を地域に限定するとともに、低遅延を要求するシステムなどを地域データセンターから提供するという。また、アプリケーションの性質に応じて、Microsoft AzureとAzure Stackを使い分けることで、コストを最適化するということだ。

  • NTT西日本の「地域創生クラウド」構想

    NTT西日本の「地域創生クラウド」構想

自治体アプリケーションについては、ネットワーク、クラウド基盤、アプリケーションを含めて、すべてが安定的に運用されることが求められ、故障時の切り分け、復旧などを含めた、トータルかつきめ細やかな対応が求められる。今回の協業を進めるにあたり、これまで地方自治体の保有するハードウェア環境で各種アプリケーションを提供してきた地域のパートナー企業各社にも積極的な参加、協力を呼び掛けるとしている。

  • 自治体向けクラウドサービス基盤のイメージ

    自治体向けクラウドサービス基盤のイメージ

今後は、この協業を契機に地方自治体との関係をさらに深め、「自治体のクラウド活用に関するワンストップでの相談先」となり、政府が提唱するSociety5.0実現の一助として、地方自治体や住民の方々の暮らしを支えるサービス提供を目指すということだ。