東京電力パワーグリッド(東京電力PG)とNTTデータは11月7日、データを利用し社会課題の解決や新たな付加価値の創出を目的とした「グリッドデータバンク・ラボ有限責任事業組合」に関する組合契約を締結したと発表した。
新ラボでは、電力データと異業種データを掛け合わせ分析することで、多様なユースケースを検討し、有用性を検証するという。新組合の資本金は3億円、出資比率は両社がそれぞれ50%、設立は11月15日を予定している。
例えば、個人情報がわからない状態に統計処理したスマートメーターデータと地図データを組み合わせることで、河川氾濫時の時間帯別最短避難経路を表示する、国勢調査の既存情報よりもリアルタイムな統計データを店舗出店計画の最適化につなげるなど、より安全で便利なサービスを開発するとしている。
また、2018年度中に都内にオープンイノベーション環境を備えたラボ兼オフィスを2018年度中に開設を予定している。データ保有者、エンドユーザー、スタートアップ企業、サービス提供者など幅広い業種の参画者を募り、デザインシンキングやアイデアソンなどの協創活動に取り組む。
さらに、法整備などの動向を踏まえ、個人情報の保護に十分に留意した上で、個人データの利用についても検討を予定している。同組合での両社の役割は、東京電力PGは電力データの統計処理結果などの提供を、NTTデータは実証環境の構築および提供、データ分析をそれぞれ担当する。
同取り組みに賛同し、ユースケース検討に参加する企業・地方公共団体は現時点で20者。具体的には、足立区、オリックス、関西電力、ゼンリン、損害保険ジャパン日本興亜、SOMPOホールディングス、中部電力、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム、東京海上日動火災保険、東京海上ホールディングス、博報堂DYホールディングス、ハレックス、三井住友海上火災保険、三菱UFJ信託銀行、ランドログ、横浜銀行など。