主な半導体分類で、ICを除いた半導体レーザーやCMOSイメージセンサなどの光学製品(オプトエレクトロニクス)、センサ(光学センサを除く)、ディスクリート(個別半導体)のいわゆるO-S-D市場は、2018年に前年比11%増の832億ドルへと成長するとの予測をIC Insightsが発表した。

832億ドルは、同市場の過去最高値であり、その背景にはパワートランジスタやダイオードの供給がひっ迫していることにあるという。O-S-D市場は前年も11%増の伸びを見せており、2018年もプラス成長になれば、9年連続で過去最高額を更新することとなる。また、この好調さは2019年も続くと見られ、IC Insightsでは2019年の市場規模を同9%増の906億ドルと見ている。

品薄で価格も上昇傾向のディスクリート/センサ

金額だけでなく、数量で見ても2017年に同11%増となったが、2018年も同9%増と消費量も増加傾向にある。そのため2018年のディスクリートの平均販売価格は8%近く値上がりしており、単体での市場規模も過去最高であった2017年から同12%増の276億ドルに達すると見られている。

また、光学センサを除くセンサ/アクチュエータ市場も、2016年、2017年ともにそれぞれ同16%増と成長を続け、2018年も同7%増の148億ドルへと市場規模が拡大する見通し。数量としても、同5%増と成長が見込まれているが、この伸び率は過去10年間で最低の値で、その背景にはいくつかの製品カテゴリで在庫調整が入ったこと、ならびにスマートフォンの伸びが鈍化していることなどが挙げられる。とはいえ、新たに自動車向けセンサの需要が伸びてきており、市場そのものは成長を続けているほか、平均販売価格も2%の上昇となっている。

価格下落も数量増で成長のオプトエレクトロニクス

そしてオプトエレクトロニクス市場だが、前年比で約11%増の409億ドルとこちらも過去最高を更新する見通しとなっている。2018年の平均販売価格は同6%ほどの下落となっているが、出荷数量そのものは同18%増と、価格の下落を数で補った成長となる。

イメージセンサ、赤外線センサ、レーザー、オプトカプラ、それに発光ダイオード(LED)など、一部の製品の価格が低下した一方で、スマートフォンなどのディスプレイの明るさ制御、心拍数のモニタリング、近接検出、カラーセンシングといった用途の光センサは、需要の増加が続いており、売り上げ規模が拡大している。

こうした市場の動きから、O-S-D全体の平均販売価格も同1.5%増と上向きになっており、このまま新規アプリケーションの登場による需要の増加が続けは、同市場は今後もしばらくの間、成長が続くことが期待される。

  • O-S-D市場推移

    オプトエレクトロニクス、センサ、ディスクリート半導体の市場規模推移(2018以降は予測) (出所:IC Insights)