サンダーソフトは10月26日、AIを活用するIoT機器を開発する際の課題を克服することが可能な開発プラットフォーム「Thundercomm TurboX SoM(System on Module)」をマクニカ ブリリアントテクノロジーカンパニーおよびアロー・エレクトロニクス・ジャパンを通じて日本市場に向けた受注を11月1日より開始することを発表した。
IoT+AIを活用したエッジ側のソリューションの活用が世界的に進んでおり、新たな付加価値が次々と生み出されている。しかし、それらを開発するうえでは、最適なハードウェアの選定、開発、OSの選定、ネットワークへの接続とセキュリティの確保、随時のアップデート体制の構築など、さまざまな側面の課題を解決していく必要がある。
そうしたさまざまな課題解決に向けて、サンダーソフトとQualcommが合弁会社「Thundercomm」を設立。IoTに関するエコシステムの構築を進めてきており、TurboXもそうした取り組みの1つとして生み出されたプラットフォームとなる。
Thundercommの狙いは、クラウドからハードウェアまで、縦軸の一貫した開発プラットフォームを構築することによるエコシステムの構築であり、今回のTurboX SoMのほか、EMMソリューション「ThunderEMM」やアプリ開発プラットフォーム「API Cloud」といったものも用意されている。
また、同SoMとして、さまざまなバリエーションを用意。今回、日本市場向けとしては、Snapdragon 845(型番:SDA845)を搭載した「TurboX D845」、Snapdragon 820(型番:APQ8096)を搭載した「TurboX D820」、Snapdragon 626(型番:APQ8053Pro)を搭載した「TurboX S626」、そしてLTE Cat-M1をサポートしたモデムチップ「MDM9206」を搭載した「TurboX S9206」の4製品が提供されることとなったほか、TurboX D845を搭載した組み込みAI開発・検証キット「Thundercomm TurboX AI Kit」も併せて提供される。
同キットは、各種インタフェースを備えたボックス型コンピュータに、開発環境ならびにサンダーソフトが開発したAIアルゴリズムライブラリがバンドルされて提供される。また、SDKとして、「顔認識」、「物体認識」、「AIによるビジュアルエフェクト」の3種類を用意。JavaやC++を用いたAIアプリの開発を容易に行なうことをかのうとしている 。
さらに、ハードウェアの開発・評価のためのボードもD845搭載品ならびにS626搭載品の2種類を用意しており、さまざまな開発ニーズに対応する体制を整えている。
なお、サンダーソフトでは、顧客と一緒になって、ターンキーソリューションとしてハードウェア、ソフトウェアの開発なども併せて提供していくことで、ありとあらゆるものがつながる市場における課題解決に向けた支援の拡充を図っていきたいとしている。