三菱重工業(MHI)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月29日13時8分00秒、H-IIAロケット40号機による温室効果ガス観測技術衛星「いぶき2号(GOSAT-2)」およびアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ政府宇宙機関であるMBRSC(The Mohammed bin Rashid Space Centre)の観測衛星「ハリーファサット(KhalifaSat)」を種子島宇宙センターより打ち上げた。
打ち上げ時の天候はやや雲はあるものの、風速も3.1mほど、気温も26℃と穏やかな条件で、カウントダウンも支障なく実施、離昇はもとより、上空でのSRBの分離も見えるなど、絶好の打ち上げ日和となった。
その後もロケットは順調に飛行を続け、打ち上げ127秒後にSRB-Aを分離、同253秒後に上部衛星フェアリング分離、同400秒後に1段目切り離し、同919秒後に第2段エンジンの燃焼を停止、そのまま969秒後にいぶき2号を予定通りの高度にて分離を実施した。
いぶき2号は、2009年に観測を開始した温室効果ガス観測技術衛星「いぶき(GOSAT)」の後継機。いぶきでは1000km四方でCO2で4ppm、メタンで34ppbの精度で温室効果ガスを観測していたが、いぶき2号では、より高性能な観測センサを搭載することで、500km四方でCO2で0.5ppm、メタンで5ppbの精度による観測を加納とした。
また、特定地点を重点的に観測する機能が強化されたほか、森林や生物活動からは排出されない一酸化炭素(CO)についても、新たな観測対象として追加。これにより、工業地域や都市部など、人間由来の温室効果ガスの高精度計測を可能としている。
なお、いぶき2号の設計寿命は5年間となっている。