電通は10月26日、AIを活用したテレビ視聴率予測システムのバージョンアップ版「SHAREST_RT(シェアレスト・アールティー)」をリリースしたと開始した。最新版では東阪名3地区へのエリア拡大や、タイムシフト視聴予測への対応、予測対象ターゲットの拡大などを実現している。
旧版となる「SHAREST(β版)」は、過去の視聴率データや番組ジャンル、出演者情報、インターネット上のコンテンツ閲覧傾向などを教師データとするディープラーニングにより、放送1週間前のテレビ番組の視聴率を予測できるシステム。2月に子会社化したデータアーティストと共同開発したものだ。
今回のアップデートでは、投入変数の拡大などを行うことで、より高精度で安定的な視聴率予測が可能に。これにより、例えば、ターゲットの異なる複数のテレビCM素材を視聴率予測をもとに最適な番組でオンエアするなど、広告効果の最大化が図れるようになる。
加えて今回、予測精度を向上させるため、データベース基盤「RICH FLOW」の構築も実施。さらに今後は、安定供給が可能なソーシャル関連データや天候関連データ、各種パネルデータ等を「RICH FLOW」上に投入し、データベースを拡充することで、さらなる予測精度の向上や予測対象指標の多様化を進めていく。
なお、これまで、複数ブランドのCM素材を予測視聴率に基づいて広告枠に割り付ける場合、視聴率予測は人力で対応していたという。今回のAIによる視聴率予測の自動化は、膨大な業務負荷の削減および業務の効率化に期待できると同社はコメントしている。