人が複雑に絡めば絡むほど、絡みつく蔦のように現場は混乱し収拾がつかなくなるケースがある。そんな経験はないだろうか?Sales Promotion/販売促進の制作物などの現場でもこれが頻繁に起こる。内部組織と外部業者が複雑に絡み合い混乱し、最悪の場合には業務に遅滞が起こる。
アレクサンダー大王にまつわる故事の"ゴルディアスの結び目"ではないが、纏わる混乱を一刀両断に解決する、そんな手段を提案するのが、今回紹介する販促クラウドプラットフォーム「SPinno」だ。24日から26日まで開催されている2018 Japan IT Week 秋のクラウド コンピューティングEXPOに同製品が出展されてる。展示場では「人依存はリスクのかたまり!その業務フロー意味ありますか?」と挑発的なコピーで、同社のクラウドをアピールしていた。同社の販促クラウドとはどういうものなのか、展示会の模様をレポートする。
SPinno社は、2001年有限会社アルテックとしてスタート。2014年に同社が開発した販促物WEB管理システム「A-mix」を進化させた販促クラウド「SPinno」をリリース、2015年に現在の社名に変更し現在に至る。同社の事業は、「SPinno」を代表するクラウドサービスと実際の店頭におけるセールスプロモーションサービスの二つの柱で成り立っている。そのため、販促業務に関する知見は、他に引けをとらないというわけだ。
販促業務は、マーケティングから在庫管理やコスト管理、デザインやブランドのコンプライアンス管理、デザインデータの保管管理、業務の発注から発送、一連の業務のワークフロー管理など、業務が非常に複雑で多岐にわたるため、より効率的な業務処理を行うプラットフォームが常々求められていた。特に申請、承認、確認のワークフローには多くの業務時間がとられ、これが業務遅滞の原因にもなっていた。上記のように業務が複雑なため仕事が属人的になりやすく、制作物の再利用や過去の経験を生かす取り組みなどは、あくまで個人に任せられ、組織的には二重発注や大量発注などの無駄なコストを増加させる。
しかし、クラウドを利用すれば、そこに全ての情報が集約されるので、関係者はすべてクラウドの画面で情報を閲覧し内容を確認することができる。これにより承認の際の遅滞も減少し、データの共有や蓄積もチーム全員で行うことができるようになる。また、クラウドを活用することで、現場で必要な販促物を自動的に集計することも可能になり、更なるコスト削減が可能になった。もちろん、そういったSP業務の知見が組み込まれることはサービス展開の大きな利点だ。
上記の通り、クラウド上には今まで行ってきた業務データがすべて蓄積されるので、過去の業務の重複などを避けることが可能になる。特にデザインデータは、クラウド上でセキュアに管理され再利用しやすい形で共有、保存されるので、制作したデザインデータを使って、一部テキストや画像を差し替えながら再利用していくことも可能だろう。これにより大幅な販促コスト削減が可能になる。
「SPinno」では、クラウド上のダッシュボード画面で販促物の受発注から制作物の編集と在庫管理、コスト管理、承認フローまで一括で処理することができる。制作物は、カタログサイトのように見やすくまとめられ、気に入ったデザインをクリックすることで画像の編集ができる。デザインの修正は、ブラウザ上のデザインツールで行う。デザインは、それぞれテキストや画像などのパーツに分解されており、それをクリックすることでレイアウトの変更やテキストの修正を専門的な知識なしに簡単に行うことができる。このツールを活用することによりデザインデータの二次利用が簡単にできるようになる。
また、デザインツールでは、編集禁止エリアや禁止文言などを入力すると警告が表示される機能が実装されている。これらの規制は、専用データベースに禁止文言を登録することで利用できる。これにより景品表示法や薬事法などの広告規制に触れる表現を事前に察知、改善することもできる。特に現在、SNSの普及により、企業コンプライアンスが社会的に厳しく問われるため、著作権に問題のある不正な画像使用及び画像の不適切な使用などには特に注意が必要になる。この機能はそういったリスクを回避する上で非常に有意義だ。
クラウドのニーズが高まるなか、自社が持つ知見をサービスとして展開していく企業も増えている。より良いサービス提供が課題を解決し、新たなビジネスとして広がっていく。そんな息吹も感じる販促クラウドだった。