日立システムズフィールドサービスは10月24日、IoTのPoC(Proof of Concept)を検討している企業向けに「IoT PoCキット」を販売開始した。また、「現場向けIoT導入支援サービス」を販売開始した。
新製品および新サービスは、本格的なIoT導入に向けて初期段階で取り組むべき設備の稼働データ収集や可視化などを支援し、生産性向上や設備保全業務の負担軽減するという。
IoT導入時に重要となる収集対象データの選定や投資対効果の確認などの試行検証を手軽に行えるように、データ収集に必要なセンサとIoTゲートウェイ、クラウド環境をセットにして提供する。
あらかじめ、動作検証済みの機器やサービスをセットで提供するため、比較選定・構築にかける時間を短縮できるという。また、IoTセンサから得られるデータを蓄積するクラウド環境の利用料や操作研修の費用を含むため、導入企業側で簡単かつ短時間にIoT環境の構築を可能とし、PoCを開始できる。
さらに、データはキャリア(通信事業者)ネットワーク経由でクラウドにアップロードするため、社内のネットワークを介す必要が無く情報システム部門に負担がかからないという。同製品には、「PoCキット1」「PoCキット2」「Azure IoTノンプログラミングキット」の3種類を用意。
PoCキット1は、マルチセンサタグで情報を収集し、温度/湿度/光/圧力/加速度/傾き/磁気/音の測定が可能とし、PoCキット2は太陽電池駆動の温度/湿度センサが5つ付いており、複数個所のデータ測定ができる。
また、Azure IoTノンプログラミングキットは、PoCキット1と同じセンサを利用し、IoTゲートウェイにAndroid OSを使用することでデータ取得が容易に取得を可能としている。なお、同製品は関東地区では販売を開始しているが、そのほかの地域での販売は2019年1月から予定している。
一方、IoT導入支援サービスは工場などの現場においてIoTを導入する際の無線ネットワークの設計・構築に加え、各種センサやゲートウェイの設置をワンストップで支援。組み立て関連の製造業向けを中心に、製造設備などを対象としたIoTセンサやIoTゲートウェイの設置カ所調査や設置工事のほか、無線アクセスポイントの電波調査や無線環境の設計・施工などを同社のエンジニアが代行する。
IoT環境を構築する際に必要となるセンサの取り付け作業の代行に加え、無線アクセスポイントの導入設計から設置工事、電気工事に至るまで、現場のニーズに合わせたサービスを幅広く提供することにより、安定したデータ収集環境の構築を支援し、IoTの利活用を通じた生産性向上などに貢献するとしている。
価格は、IoT PoCキットが3種類いずれも9万9800円(税別)、現場向けIoT導入支援サービスが個別見積もり。