10月17日から19日の3日間、東京ビッグサイトで開催された「日経xTECH EXPO 2018」の会場内には、様々な手法で企業活動を支援する取り組みやサービスが多数展示されていた。テラブースにて展示されていたクラウド営業支援アプリ「Bigtincan Hub(ビッグティンカン ハブ)」は、一見我々が慣れ親しんだクラウドストレージサービスのように思えるのだが、働き方を変えて生産性を向上させるという。どのように変えてくれるのか、その理由を本稿で掘り下げていこう。
先にも述べたとおり「Bigtincan Hub」は、端的にその機能を言い表すと“多機能なクラウドファイルストレージサービス”だ。米国はボストンに本社を構えるBigTinCan Holdings Ltdが"セールス・イネーブルメント(Sales Enablement/*組織における営業力強化のためのトレーニングやツール、方法論やアプローチなども含む包括的なビジネスキーワード)"に特化したクラウドサービスとしてグローバル展開を図っている。PCのみならずモバイルデバイスからも専用のアプリを用いていつでもどこでもアクセスできるほか、クラウド上に保存したファイルの共有はもちろん、WordやExcel、PowerPointやPDFファイルのプレビューも思いのまま。グラフィカルで美しいUIを採用していることに加え、シンプルに3階層のフォルダ構成で整理整頓することができ、目的のファイルを素早く見付けることができる。
また、“情報の共有”という意味においても「Bigtincan Hub」にはユニークな機能が盛り込まれている。コンテンツIQと呼ばれる独自のAIを実装し、「Bigtincan Hub」内に保存されたすべてのコンテンツの閲覧数や時間といったログ等から利用度を自動で解析。“コンテンツIQが高い=良質な資料”として、おすすめや関連ファイルとしてレコメンドしてくれるのだ。例えば、営業パースンとして新規顧客へ提案を行う際、どの資料をお客さまに提供すれば良いかで頭を悩ませるところだが、コンテンツIQの高いものからお客さまに合う内容の資料をチョイスすれば良い。商談に有効な資料を素早く見つけ出すことができるので、ゼロから資料を作成するよりも業務効率がグンとアップするというわけだ。
さらに、チャット機能を用いたコミュニケーションによって、資料の使い方や提案に関するノウハウを共有することも可能となっている。「この資料で商談に成功した」や「この資料の○ページを強調して説明したらお客さまの目の色が変わった」など、営業成績に直結する情報を共有することができるため、営業マンのモチベーション向上や営業スキル・ノウハウの底上げにも寄与するだろう。
ビジネスでの成果を得るために、プロセスを抜本的に改善してそこにある価値を最大限有効活用する「セールス・イネーブルメント」の取り組みが、いま世界の企業で進められている。単なるクラウドストレージという枠にとどまらず、見やすいUIや目的のファイルを見付けやすいこと、コンテンツIQという指標によって効果的な資料を探せるとともに、情報・ノウハウの共有を容易に行える「Bigtincan Hub」は、まさに働き方に変革をもたらし、生産性の向上はもちろん、営業強化に直結するソリューションと言えるのではないだろうか。