リコーは23日、構成の違う2つの文書の内容を比較し、文や段落を自動的に対応させて重複や差異を明確にできるAIを活用した自然言語処理技術「ディープアライメント」を開発したことを発表した。
このAI技術は、ディープラーニングによって学習した語句の意味に基づき、語句の意味だけではなく、語句が属する文や段落の意味の近さも考慮することで、その出現順序に依存せずに文や段落同士を対応づけるアルゴリズムを考案し、より一般的な文書の対応づけに適用することに成功したという。
また、同社の法務部門での実務においてPOC(概念検証)を行った結果、人手では約24時間を要する482条文の契約書の対応づけを1分で実行でき、内容チェックの大幅な時間短縮と品質アップに貢献したという。従来のテキスト分類技術と比較した結果、2倍以上の対応づけの精度が得られたということだ。
これにより、例えば、2社でかわす契約書について、双方が作成した内容を比較し、契約書内で同様の内容を述べている部分や過不足を一目瞭然にできるため、文書チェックの時間を大幅に削減できる。これにより、双方の意向の違いや検討すべき点を容易に見つけ出すことができ、契約書作成の効率化に貢献する。
なお、リコーは、この新しいAI技術を、10月24日〜26日に千葉県・幕張メッセで開催される「第2回 AI・業務自動化展 秋」に出展する。