PostgreSQLグローバルデベロップメントグループは10月18日(ノルウェー時間)、「PostgreSQL: PostgreSQL 11 Released!」において、PostgreSQLの最新版となる「PostgreSQL 11」の公開を伝えた。PostgreSQL 11はデータベースシステムの性能が全体的に向上しているほか、大規模なデータベースなど高い計算負荷を伴う機能を提供することが可能になっている。
PostgreSQL 11の主な特徴は次のとおり。
- データ分割機能の強化。既存の機能に加えてハッシュキーを使ってデータを分割する機能であるハッシュパーティショニング機能を導入
- 新しいパーティション削除ストラテジーによる読み込み時におけるクエリパフォーマンスの向上
- パーティション化されたテーブルにおけるUPSERT機能のサポート
- ストアドプロシージャにおけるトランザクションのサポート。PostgreSQL 11よりも前のバージョンでは実現できなかったが、PostgreSQL 11以降は関数の本体内で完全なトランザクション管理が可能。これによって開発者はより高度なサーバサイドアプリケーションの開発が可能になる
- 並列クエリのパフォーマンス向上。パラレルシーケンシャルスキャンおよびハッシュジョインパフォーマンスの向上
- 特定の式を高速化するためのJIT技術の導入。JIT技術はLLVM技術を利用して実装されており、JIT技術を有効化するには関連するLLVMプロダクトをインストールした上でJITを有効にするオプションを指定する必要がある
PostgreSQL 11は1年ぶりのメジャーアップグレードバージョンで、実験的に開発が進められてきたJIT技術が取り込まれている。デフォルトでは有効になっていないが、特定の処理で大幅な高速化が期待できる。
リレーショナルデータベース管理システムとしてはOracle、MySQL、Microsoft SQL Serverの人気が高いが、PostgreSQLはこれら3強に続くポジションにある。