東レは、ウェア型の生体センサーを活用することで、心拍数などから企業や団体など従業員の体調管理、安全確保に寄与する「hitoe みまもりアプリ」を開発、今後のテスト運用を通じて2019年1月よりアプリ提供を開始する。
同社は、クラウドとIoTを活用した「hitoe 作業者みまもりサービス」を2016年より提供しているが、新たな「みまもりサービス」は、平均心拍数、瞬時心拍数、消費エネルギー、リラックス度の測定や推測から情報を可視化できるようになるなど、さらに多様なニーズに応えられる2世代(2ndジェネレーション)目に位置する。
サービス名にもある"hitoe"は、同社とNTTが共同開発する機能繊維素材で、高い導電性から微弱な生体信号を計測できるものだ。これを勤務時間と同様の時間に着用し、取得したデータを用いて、閾値を設定。活動時と安静時を切り分けて個々人の基準値を作ることで、アラートを鳴らすことができる。スマートフォンでは、心拍数を視覚的に表示、消費エネルギーをスポーツ競技で置き換えたり、リラックス度を色や形で把握。緊張時にはリラックスするための呼吸法のコーチング機能も搭載するなど監督者だけでなく着用者自身が体調変化を意識できるような工夫が施されている。
同社は医療の質向上や医療現場の負担軽減、健康・長寿などに貢献する事業を拡大する「ライフイノベーション事業拡大(LI)プロジェクト」への取り組みを中期経営課題のひとつに掲げており、人々の健康・安全への貢献と先端素材をベースに暮らしに役立つ製品開発への注力を通じて、より良い社会の実現に貢献していくことを述べている。