レノボ・エンタープライズ・ソリューションズは10月12日、9月に発表したLenovoとNetApp世界規模の多面的なパートナーシップに基づく、ユニファイド・ストレージ「Lenovo ThinkSystem DMシリーズ」3製品と、ブロックストレージ「Lenovo ThinkSystem DEシリーズ」3製品を発表した。
これらの製品は、NetAppから部品とOSの提供を受け、Lenovoの工場で組み立て、Lenovoのファームウェアを組み込んだ後、提供される。
同社は現在、SANストレージとして、エントリークラスのThink System DSシリーズと、Lenovo Storage Vシリーズをラインナップしているが、今回あらたにエントリーモデルのDMシリーズとDEシリーズが加わる。
Lenovo ThinkSystem DMシリーズは、SANとNASを統合するユニファイド環境で向けに設計され、NAS環境で最大70.5PB、SAN環境で最大35.3PBまで拡張でき、最大400万 IOPSを実現する。オールフラッシュ・モデルはOracle、SQL Server、VDのほか、サーバ仮想化などのアプリケーションに最適だという。
オールフラッシュとハイブリッドのいずかが選択可能で、ラインナップとしては、2Uで3.5インチ12ドライブのDM3000、2Uで2.5インチ24ドライブのDM5000、3Uでディスクレス(ディスクはシェルフに格納)のDM7000がある。OSはNetAppのONTAPが搭載される。
参考構成価格は7,775,500円(税別)からで、10月12日から出荷される。
Lenovo ThinkSystem DEシリーズは、SASによる直接接続のほかFCおよびiSCSIによるスイッチ接続にも対応したSANストレージで、ビッグデータ/分析、ビデオ監視、データ・バックアップなど、広帯域幅が求められるアプリケーションに向いているという。
オールフラッシュとハイブリッドのいずかが選択可能で、2Uで3.5インチ12ドライブあるいは2.5インチ24ドライブのDE2000、2U/4Uで24/60ドライブのDE4000とDE6000がある。
参考構成価格は2,650,600円(税別)からで、11月9日から出荷が開始される。
いずれのシリーズもLenovo XClarity 管理ソフトウェアにより、Lenovo ThinkSystemサーバ、ストレージをネットワークも合わせて統合・運用できる。
NetAppとの協業では、NetAppのテクノロジーを統合したLenovoブランドのストレージ製品の発表、ストレージ事業拡大にむけた販売・マーケティング面での協業、中国市場開拓にむけた合弁会社の設立が行われる。
レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ 代表取締役社長 スミア・バティア氏は、「サーバ中心に販売してきたレノボにストレージが加わることで、アプローチできるマーケットが大幅に広がる」と述べたほか、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ 執行役員 製品・企画統括本部 統括本部長 橘一徳氏も、「レノボはエントリーやミッドレンジ領域で強みを持っているが、ユニファイドストレージを持てたことで、エンタープライズ領域でもチャンスを作れる」と、協業による営業面でのメリットを語った。
また、同氏は技術面のメリットを「IoTによるデータの爆発によって、ストレージにも拡張性が求められているほか、構造化データだけでなく、非構造化データへの対応やデータマネージメントが課題になっており、NetAppとの協業によってそれを解決したい」と説明した。
さらに、発表会に登壇したネットアップ 代表執行役員社長 岩上純一氏は、レノボとのパートナーシップの意義について、「今後、ディスクからフラッシュへのリプレースというデータセンターのモダイナイズが始まる。そういう時期にレノボさんと連携できるのは大きな意味がある。今後、レノボさんのルートマーケットにおいて我々ストレージを売っていただき、ビジョンをマージし、中堅・中小マーケットのビジネスを拡大していきたい」と語った。