米Maxim Integratedは10月10日(米国時間)、自動車向けのマトリクスマネージャ「MAX20092」を発表した。このMAX20092に関して事前に説明会が開催されたので、その内容をご紹介したい(Photo01)。
同社は重点部門として車載とヘルスケアを掲げていることもあり、さまざまな車載ソリューションを投入している(Photo02)。
今回の製品は分類としてはセーフティに属する形になるが、同分野はADASに絡む自律走行が現在ホットな話題とされている一方で、それに負けず劣らず重要視されているのが環境負荷の低減である(Photo03)。
環境負荷の低減もいろいろ手法があるが、Maximが提案するのは照明のLED化である(Photo04)。もっともこれは別に今さら提案しなくてもすでに多数の車が照明のLED化を進めてはいるものの、高級車はともかく普及帯以下になると価格の壁がそびえ立つこととなる(Photo05)。
もちろん根本的にはコンポーネントそのものの値段が違うため、Maximだけでどうこうできるわけではないのだが、とりあえず自社の範囲内でできる事は実現しよう、というのが基本的な姿勢である(Photo06)。
こうした中で開発されたMAX20092であるが、フロント/テールライト向けの大電流LEDを12個までコントロールできるマトリックスマネージャである。
LED制御は12bit PWMで、対数フェードイン/アウト機能を持つほか、オープン/ショート/オープントレースの各検出モードを持ち、最大56Vまでの電圧に対応できる。また最大27個のMAX20092を並列に接続し、324個までのLED制御も可能となっている。EMI対策に関しては、スルーレート制御により、EMIとノイズの低減が可能になっているとされる。これを利用したアプリケーションはPhoto07のような構造になる。
制御はSPI経由になっているので、適当なMCUで集中管理も容易である。こちらと組み合わせるMAX20096やMAX20097はすでに発表済であり、あわせてLED照明に最適な構成を最小のBOMコストと実装面積で実現できるとする(Photo08)。
また評価キットとしてMAX20092EVSYS(Photo09)も用意され、開発用のGUIなども提供されるとする。
MAX20092はすでに出荷を開始しており、価格は1000個発注時に1個あたり2.93ドルからとなっている。
なお説明会では他にサラウンドビュー向けカメラ電力供給用ソリューション(Photo10,11)や緊急通話向けの予備バッテリ管理ソリューション(Photo12)などの説明も行われた。同社は今後もこうしたさまざまな車載関連製品を増やしていくとの事であった。