石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下、JOGMEC)は10月10日、沖縄海域の海底約1600メートルに存在する海底熱水鉱床の鉱石から、国内製錬所の実操業炉を用いて亜鉛地金を製造することに成功したと発表した。
海底熱水鉱床の鉱石に含まれる亜鉛や鉛などの有用鉱物は、陸上鉱石と比べて非常に微細であること、一部の鉱物は陸上鉱物にはあまりない鉱物種として含まれていることから、従来の選鉱手法では回収が困難とされていた。
これを受けてJOGMECでは、10年間にわたって亜鉛鉱物を効率的に回収できる選鉱手法の検証を重ねてきたという。秋田県大館市に設置された選鉱設備での実証試験を踏まえ、今回の成果につながったとのことだ。
同成果は、国内で産出する鉱物資源として産業に利用できる可能性を示すものであるとし、資源の安定供給につながると考えられている。また、海底熱水鉱床開発の商業化検討への反映を予定しているという。