日立システムズは10月9日、介護施設や医療施設向けに赤外線センサやマット型の生体センサ、尿意検知センサなど、さまざまなIoTセンサの活用により入所者の状態を迅速に把握するとともに「福祉の森」などの介護記録システムと連携して、入所者の健康状態を一元的に管理する見守りシステムの実証実験を開始した。
同システムは、複数のIoTセンサを通じて入所者のバイタル情報や生体情報等を収集し、スタッフルームに備え付けのPCやタブレット端末、スマートフォンなどにリアルタイムに表示させ、視覚的に状況を把握することが可能なシステム。
これにより、居室への空振り訪問回数を削減できるだけでなく、異常を検知した場合にはナースコールからの着信により迅速かつ適切な対応ができるという。
また、血圧測定結果や検温データ等の介護記録への記入に費やしていた時間を短縮するために、専用の生体測定機器を採用することにより、自動で福祉の森などの介護記録システムにデータ連携できる仕組みを提供。
これらのバイタルデータと各居室から各IoTセンサを通じて受信したデータを集約することで、各種介護記録帳票が簡単かつ短時間で作成することを可能としている。
今後、同社は複数の介護施設の協力を得て見守りシステムの実証実験を実施することで、連携可能なIoTセンサの種類を拡充し、さまざまな介護記録システムとの連携を確認すると同時に介護スタッフのニーズや業務課題を把握してシステムのブラッシュアップを図り、2018年中のサービス提供開始を目指す。
さらに、将来的には一元化したデータとAI(人工知能)なども組み合わせることで、健康の改善や増進、未病といった健康科学の分野までサービス提供の範囲を拡大することを図る考えだ。