日立製作所は、三井物産と三井物産グループの事業会社の配送業務をAIを活用した配送業務の最適化に向けて協創を開始すると発表した。両者は、熟練者に依存しない最適な配送計画を立案するシステムを構築し、共同実証を行う。

具体的には、配送実務を細かく分析し、重要な条件(納品日時、物流センター・拠点位置、走行ルート・時間、渋滞、積荷・滞店時間、車格(搭載量)、ドライバー条件など)をすべて変数化(制約条件や重み付けに使用する値にすること)するとともに、熟練者の経験を取り入れた配送計画の自動立案アルゴリズムを実運用に適用し、配送計画の実効性を高めるという。

  • 配送業務最適化に向けた協創の概念図

また、これらのデータの収集・分析にIoTやAIを用いて計画の精度を継続的に高めるとともに、ダッシュボードでKPI可視化の有効性を検証する。

開発中のシステムによりシミュレーションで比較検証した結果、従来に比べてトラック台数を最大10%削減でき、かつ短時間に熟練者と同等かそれ以上に実行性のある配送計画の立案が可能との見通しを得たことから、2018年11月より、三井物産グループの事業会社が手がける小売業向け配送業務とレンタル集配送業務を対象に本システムを導入し、効果を検証する。

三井物産グループは、2019年度を目途に本システムの本格導入を進める予定。