ルネサス エレクトロニクスは10月4日、IoTのエッジAIを実現する「e-AIソリューション」の実現にむけ、既存のマイクロプロセッサ「RZ/A1」と比べて、画像処理能力を10倍に向上させた「RZ/A2M」を発表した。
同製品は、独自の「DRP(Dynamically Reconfigurable Processor)技術」を搭載することで、画像の前処理を従来比で10倍以上の速度で実行することを可能としたほか、4MBのRAMを搭載することで、外付けDRAMを省略することを可能とした。
DRPは、1クロックごとに演算回路の構成を動的に変更することで、少ないチップ面積でさまざまな処理を高速に行なうことを可能とするハードウェアIP。同社は、合併前のNECエレクトロニクス時代から、同技術の開発を進めてきており、過去には放送機器などで採用されてきた実績も有している。
また、MIPI-CSIインタフェースを内蔵したほか、画像のゆがみをハードウェアで補正できる「ゆがみ補正エンジン IMR」も搭載。さまざまなカメラを活用することを可能としたほか、2chのイーサネットならびに暗号ハードウェアアクセラレータを搭載するなど、ネットワーク機能の強化も実施。求められるIoT機器のセキュリティニーズに対応する安全性を確保したとする。
さらに、開発ボードや各種リファレンスソフトウェア、DRP用画像処理ライブラリも用意。ソフトウェアパッケージは、すでに同社のWebサイトからダウンロード可能となっているほか、ターゲットアプリの第1弾として「バーコード」も公開。第2弾の「虹彩認識」、第3弾の「指紋認識」も、順次公開していく予定としている。
なお、同製品はすでにサンプル出荷を開始しており、2019年第1四半期からの量産を予定。2021年には合計で月産40万個の生産規模を計画しているとする。