日立製作所は10月3日、健康診断データやレセプトデータ(患者が受けた保険診療について、医療機関が市町村や健康保険組合といった保険者に請求する診療報酬の明細書データ)といった医療ビッグデータを活用し、生活習慣病に起因する将来の入院リスクを予測するシミュレーションサービス「Risk Simulator for Insurance」を開発し、販売を開始した。
新サービスは、第一生命保険との医療ビッグデータ活用に関する共同研究で得た知見や、日立健康保険組合向け保健事業支援を通じて蓄積したデータ分析ノウハウをベースに開発した独自のAIを活用し、健康診断での各種検査数値や生活習慣・服薬に関する問診項目、および一般的な生命保険の加入時に必要な過去の既往症に関する告知事項など、200を超える要因を組み合わせ、8大生活習慣病発症による入院の可能性とその日数を予測するほか、標準値として任意に指定する健康状態とのリスクを比較。
新サービスを活用することで、健康を阻害する複数の要因の相互影響を考慮した予測が可能なため、生命保険会社における保険引き受け基準の妥当性検証や、多様な商品開発の検討に適用することができるという。また、健康保険組合における保健指導や健康増進産業による疾病予防サービスの創出など、さまざまなヘルスケア関連産業においても幅広く利用を可能としている。
今回、第1弾として糖尿病、脳血管疾患をはじめとした8つの疾病を予測対象とし、今後は対象疾病の拡大や手術・医療費予測をはじめミュレーション範囲の拡充など機能強化も視野に入れ、IoTプラットフォームであるLumadaソリューションの1つとして新サービスを幅広く展開していく。