電通は10月2日、米国の投資会社であるScrum Ventures(スクラムベンチャーズ)と共同で、世界中から募集したスポーツ系スタートアップの成長を支援し、企業にオープンイノベーションの場を提供する日本発アクセラレーション・プログラム「SPORTS TECH TOKYO」を2019年に日米で開催すると発表した。
同プログラムは、スポーツ分野で優れた技術や事業アイデアを持つスタートアップを世界から募り、メンタリング(人やチームの育成方法の1つ)をはじめとした独自のプログラムで約1年間の支援を行う。日米の競技団体、プロリーグ、チームなどの関係者や選手を「スポーツアドバイザリーボード」に迎え、参加スタートアップに対し、ネットワーキングやプレゼンテーションの機会も提供していく。
また、スポーツ関連のオープンイノベーションに関心を持つ有力企業もパートナーとして参加するほか、プログラム後半ではスタジアムなど関連施設とも協力し、実験・実証の場も準備するという。
米国ではスポーツの産業規模が拡大しており、2016年の時点で50兆円以上と試算されている。特に「Sports Tech」(ITをはじめとするテクノロジーを活用して、スポーツに新たな付加価値を生み出したり、ビジネスを創出したりするソリューション)関連スタートアップへの投資規模は2011年から2015年までの4年間で約3倍に拡大している。
一方、日本においても政府の掲げる「日本再興戦略2016」の「官民戦略プロジェクト10」の1つにスポーツの成長産業化が挙げられており、2015年に5.5兆円であったスポーツ産業の市場規模を2025年には15.2兆円へと拡大する方針が示されている。
こうした環境下で同社は、スポーツ界における現在の活動に加え、新たに同プログラムでSports Tech関連の技術革新を促進し、その成果をスポーツ界に還元するシステムの構築を目指す。また、活動を通じ、国内スポーツ界の一層の発展、およびスポーツ産業の活性化に貢献していく考えだ。