宅配物をビルディングやマンションに運ぶ業務は、宅配物の増加に加えて不在時の再配達と業務フローが著しく増加している。都内など人口が増加する地域の高層ビルではエレベーターの往復が集中することで、荷物をなかなか上げられないシーンを頻繁に目撃する。 インターホンシステムのアイホン、エレベーターとマンション向けのシステムを開発する日立製作所と日立ビルシステム、宅配ボックスのフルタイムシステムの4社は、配送ロボットを用いたマンション内宅配システムの協創を開始したことを28日、発表した。 新たな仕組みは、マンションのエントランス付近に専用の受付・保管システムが備わる宅配ボックスを設置される。ここに荷物を入れると保管ユニットに一時保管、居住者のスマートフォンの専用アプリや住戸内のインターホンに着荷情報が通知される。居住者はインターホンから配達依頼を出すと配送ロボが玄関前まで荷物を届けるという近未来を思わせる便利なものだ。当然、エレベーターという難関がロボットを待ち受けるが、日立製作所と日立ビルシステムが従来提供しているシステムをもとに制御システムを構築する。2021年度のサービス化を目指し、新築マンション向けに提案していく予定だという。
4社は、近年のEC市場の拡大や中でも再配達問題は、配達員の不足や配送車両による二酸化炭素排出増加の観点から社会問題になっていること。また、従来型宅配ボックスですら数日間滞留で満杯になる、宅配ボックスから自宅までの運搬が負担になるなどのケースがあることを背景として挙げている。喫緊の課題解決で需要を満たすため各分野での実績を誇る4社が協創する。