AppleとSalesforce.comは現地時間24日、iOSとSalesforceのCRM(顧客関係管理)プラットフォームにおける連係強化など戦略的提携を発表した。
24日に両社が発表したパートナーシップはiOS(ネイティブ)向けのSalesforceアプリケーションの再設計、両社によるプログラミング言語Swiftに最適化したSalesforce Mobile SDKの提供(開発中)、開発者の学習やキャリアアップ促進など、ビジネスアプリの価値向上から開発者のフォローまでをカバーする。Salesforce.com内には英語の特設サイトが開設されているが、17日に提供開始されたiOS 12の新機能を取り込むなど最新のiPhoneとiPadの機能を使ったビジネスアプリケーション構築を推進する戦略的な提携となる。
Appleは今月17日に最新版となるiOS 12の提供を開始しており、iOS 12では、カメラ、タイピング、アプリケーションの起動をはじめとした、システム全般の大幅な改善、イメージの検出·追跡をサポートする新たなARや音声でアプリ操作の自動化を行えるSiriショートカットなどアプリ開発に新たなエクスペリエンスを数多く搭載している。一方、Salesforce.comも今月20日(現地時間)には音声を使ったプラットフォーム「Einstein Voice」を発表するなど、ビジネスに新たな体験をもたらすための機能実装を加速している。
Apple CEOのティム·クック氏は「Salesforceと共に業務を行なえること、さらに同社の業界屈指のCRMがiOSにネイティブ対応し、iPhoneとiPadだけで利用できる新機能を採用してくれるということに、とても感動しています。ビジネスのための最高のハードウェアとソフトウェアであるiPhone、iPad、iOSと、Salesforceのネイティブアプリケーションおよび新しいSalesforce SDKが強力に組み合わさることで、私たちは世界中の事業者に対して素晴らしい顧客体験を提供していけるでしょう」とビジネスシーンにおけるiPhoneやiPadのエクスペリエンスを強調している。
Salesforce.comの会長兼共同CEOであるマーク・ベニオフ氏は、「今回のパートナーシップにより、私達はともに世界No.1CRMプラットフォームと、世界で最も優れたビジネス向けデバイスであるiPhoneおよびiPadを連係して提供することが可能になります。セールスフォース・ドットコムとAppleは協同で、iOS上で動作するネイティブアプリでモバイルイノベーションの新時代を定義していきます。また多くの人々にTrailheadを提供することで、将来のキャリアに必要となるスキルを身につけてもらうための支援を行います」と連係がもたらすモバイルイノベーションに強い自信を見せている。