宇宙航空研究開発機構(JAXA)は国際宇宙ステーションに食料や実験装置などの貴重な物資を届ける無人補給機「こうのとり」7号機を23日午前2時52分、鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Bロケットで打ち上げた。打ち上げは成功し、7号機は途中トラブルがなければ27日に同ステーションに到着する。
JAXAによると、「こうのとり」の機体は全長約10メートル、直径約4.4メートルの円筒形。7号機は食料品やリチウム電池など、国際宇宙ステーションの運用に欠かせない大切な物資約6トンを積み込んでいる。また同ステーションから実験試料を回収する小型カプセルを搭載している。カプセルは直径84センチ、高さ66センチの円錐形をしている。
計画によると、ステーションに滞在する宇宙飛行士が「日本実験棟きぼう」で作られたタンパク質結晶をこのカプセルに入れて「こうのとり」7号機に積み込む。作業が終わると7号機はステーションから離脱し、地球に向かう。途中で小型カプセルを大気圏に突入させる。小型カプセルは耐熱対策を施されているために大気圏内では燃えず、地球表面に向け徐々に降下。最後はパラシュートを展開して小笠原諸島・南鳥島沖で回収される。7号機自体はカプセルを分離した後に大気圏に突入して燃え尽きる。一連の計画の実施時期は、回収地点付近の良好な天候など、いくつかの条件を満たさなくてはならないために未定という。
国産大型ロケットH2A、H2Bロケットは合わせて46回打ち上げられている。このうち45回、連続では40回成功しており、信頼性の高さは世界の宇宙ビジネス市場でも評価されている。今回の打ち上げは当初11日の予定だったが、天候悪化や部品不具合のために度々延期されていた。
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