米IC Insightsは、マイコン(MCU)市場の規模ならびに販売数量が、2022年に向けて成長が続いていくとの見通しを発表した。
マイコン市場は2016年、前年比6%減と一度落ち込んだが、同年に在庫が一掃され、システムメーカーは2017年に購入数量を22%増加させるなど、再び成長基調に戻った。2018年も、その流れを受けて堅調な成長を続けており、販売数量は前年比18%増となる約306億個、市場規模もは同11%増の約186億ドルに達するとするほか、2019年もは同9%増の約204億ドルへと成長するとの予測を掲げている。
こうした好調さを背景に、同社はマイコン市場の2017~2022年の年間平均成長率の見通しを7.2%へと引き上げており、この結果、2022年には市場規模は239億ドル近くに達するほか、出荷数量も同11.1%増で成長を続け、2022年には約438億個に達するとしている。
2017年にプラス成長に転じた主な要因は、全マイコンの出荷数量の約4割を占める市場であるスマートカード向けの業績回復で、同市場を除いた組込機器、自動制御、センシング、IoT接続向けといった一般用途市場の規模は、2017年に前年比14%増となったほか、2018年も同11%増の164億ドルと予測されている。 数量ベースでも、2017年に同21%増となったが、2018年も同25%増の189億個となる見通しで、同市場の出荷個数における比率は、2022年には68%に達する見通しだという。また、金額としても、現在、全体の88%を占めているが、2022年には90%へと高まるとしている。
また、ビット数別に見て、コンシューマ製品などで8/16ビット品が多く使われてきたが、徐々に32ビットへの移行が進みつつ有り、すでにいくつかの製品では、8ビット品よりも安い32ビット品も登場するなど、そうした動きに拍車がかかる状況となってきた。そのため、ビット別に見た平均販売価格も、2018年の32ビット品は、全マイコンのそれと比べても、0.09ドルほど上回る程度と縮まってきているが、2022年までに、その差はさらに縮まり、0.05ドル程度となり、全体の平均販売価格0.55ドル、32ビット品の平均販売価格0.60ドル程度となる見通しとなっている。