NECは9月18日、東京都新宿区が、「NEC Cloud System」を活用してプライベートクラウド基盤を刷新し、同基盤を2018年4月から本格稼動したことを発表した。
新宿区は、自治体では先駆けて大規模な全庁プライベートクラウド基盤を導入し、情報セキュリティレベルの均質化やICTコスト削減に取り組んできた。今回、さらなる柔軟性・俊敏性の向上と利便性を損なわない高度な情報セキュリティの実現を目的として、基盤を刷新した。
刷新した基盤では、顔認証やファイルの自動暗号化、トレンドマイクロ製品による多層防御、SDNを用いた自動防御など、日々の職員の業務プロセスに影響しない手法を用い、高い情報セキュリティ対策を実現している。
これにより、サイバー攻撃を検知した場合も、攻撃内容の把握や被害の有無の確認が容易になり、分析にかかる情報システム部門の負担を軽減する。また、感染した仮想デスクトップとの通信を自動遮断することで、一次対処の迅速化、被害の局所化が可能となった。
日々の情報セキュリティに関する運用は、NECが24時間365日の監視を行うと同時に、トレンドマイクロと連携した支援体制を組み、新宿区をサポートしている。
データセンターと庁舎内に設置したプライベートクラウド基盤の相互運用を見据えて、SDNを採用することにより、容易なサーバ再配置やリソース再配分が可能となり、柔軟性と俊敏性が向上した。これにより、新しい行政サービスの迅速な立ち上げが可能となったほか、将来、災害時の事業継続性強化のために、バックアップサイトとしてパブリッククラウドを利用するなど、マルチクラウド運用が可能な拡張性の高い基盤となっている。