世界の水問題を幅広く取り上げる「国際水協会(IWA)世界会議」が16日、東京ビッグサイト(東京国際展示場;東京都江東区有明)で開幕した。16日は開会式が行われ、皇太子ご夫妻が出席された。皇太子さまは、国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)で水の問題が重要な課題になっていることを紹介、「歴史から学んだ知恵と現代の優れた技術を併せて活用し、国際社会が連携して行動することが求められております」と英語であいさつされた。同会議は2年に1回開かれる国際会議で初の日本開催。21日までの期間中、100カ国以上から6000人を超える参加者が見込まれている。
皇太子さまは、あいさつの冒頭で最大震度7を記録した北海道の地震に触れ、「亡くなられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、ご遺族と被災された方々にお見舞いを申し上げます」と述べられた。また7月の西日本豪雨についても「多くの人命が失われるとともに、水道施設の被害によって多くの世帯で断水が発生しました」と、水による犠牲者や被災者に思いを寄せられた。この中で「水はあらゆる生命の根源であり、多くの恵みを与えてくれる一方で時に大きな災害をもたらし、生命にとっての脅威となります」「水関連災害への対応も国際社会が取り組むべき重要な課題です」と述べられた。
SDGsについては「水の問題が、貧困や教育、ジェンダーの問題など、他の目標に密接に関連した横断的課題として捉えられており、誰一人取り残さない社会の実現に向けた国際社会の大きな課題となっております」と水の問題の大切さを強調された。
皇太子さまは、水の問題の研究をライフワークにされている。今年3月にはブラジルの首都ブラジリアで開かれた「世界水フォーラム」に出席。水に関する国際会議などに積極的に参加、時に基調講演もされてきた。
開会式では、石井啓一国土交通大臣、中川雅治環境大臣、高木美智代厚生労働副大臣、大串正樹経済産業大臣政務官がそれぞれの所管業務に関連して水の問題と水問題への取り組みの重要性を強調するあいさつをした。また小池百合子東京都知事(開催国委員会会長)や古米弘明・同委員会委員長(東京大学教授)が歓迎のあいさつをした。
今回のIWA世界会議は開会中、水環境、上下水道に関する問題から災害対策に至るまで幅広い課題について数多くの基調講演やフォーラム、研究発表が行われる。また展示会も同時開催されて200以上の企業・団体が水処理施設やサービス内容などを紹介する。
関連記事 |