富士通は9月14日、スポーツ用品小売チェーンであるヒマラヤのECサイトを閲覧する顧客の、モバイル端末におけるタッチ操作の速度や端末の向き、揺れからAI(人工知能)が顧客の心理を分析し、心理に応じた最適な情報をタイムリーに提供するという実証実験を9月19日から10月3日まで実施すると発表した。
ヒマラヤは、109店舗を全国展開するほか、「ヒマラヤオンラインストア」などEC事業にも注力している。
今回の実証実験では、顧客の購買意欲や満足度を高めるようなマーケティング施策の高度化を目指し、富士通のAI技術である「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」の中核技術という「感性メディア処理技術」を利用して、ECサイトを閲覧する顧客の心理を捉えた最適なアプローチを行う。
具体的には、ヒマラヤオンラインストアのアウトドア特集ページにおいて、顧客がモバイル端末で商品ページを閲覧する時間やスクロール速度、端末の揺れなどのデータを取得し、富士通研究所が開発した心理分析AI技術を用いて、商品に対する関心や迷いを推定する。
また、関心や迷いの度合いに応じて表示するメッセージを切り替え、顧客の心理をタイムリーに捉えた接客を実現するという。
さらに、閲覧ページの遷移データと心理データの相関関係の分析により、顧客が購買に至るまでにどのような心理で商品を比較検討するかの把握が可能になり、ECサイトにおける顧客満足度向上への施策検討、将来的にはマーケティング戦略への応用についても効果を検証していくとしている。