サイバネットは9月12日、クラウド上でCAE(Computer Aided Engineering)ソフトウェアによるシミュレーションを高速に実行するためというクラウドコンピューティング環境である「サイバネットCAEクラウド」を、9月下旬に販売開始すると発表した。

新サービスは、CAEソフトウェア利用者が計算リソース不足への対応に悩むことなく本来の業務に注力できるよう、使いやすいクラウド環境を提供するとしている。

主な特徴として「専門知識を必要としないクラウド環境の提供」「拠点間のコミュニケーションのサポート」「ANSYSのクラウド上での利用」の3点を挙げている。

クラウド環境の提供は、高速リモートデスクトップと専用ポータルによるものとなり、クラウド上で動作するCAEソフトウェア画面を従来比10分の1の帯域でクライアントへ高圧縮で送信するため、クラウド環境で高負荷処理中に生じることが多い操作時のタイムラグ(画面遅延)のない、スムーズで快適な操作環境を実現するとしている。

また、CPU特化型やメモリ特化型、グラフィック強化型など多種多様な計算リソースを用意しており、解析の内容に合わせてスペック変更ができるほか、専用区画のプライベートクラウド環境を提供し、情報漏洩などのリスクを回避するという。加えて、WindowsやLinux環境で動作する製品であればどのようなソフトも動作を可能とし、複雑な設定を行う必要はなく、既存のCAEソフトウェアライセンスの利用を可能としている。

  • クラウド環境のイメージ

    クラウド環境のイメージ

拠点間のコミュニケーションについては、高速リモートデスクトップの画面共有機能の利用により、遠隔地にいる海外の設計パートナーと同じ操作画面を閲覧・相互操作が可能となり、言語の隔たり無く課題や情報を共有できるという。さらに、2018年12月にリリース予定の次期バージョンでは、画面操作共有に加え、チャット機能や音声会議、ビデオ会議などのコミュニケーションに必要な環境の実装を予定している。

  • 拠点間コミュニケーションのイメージ

    拠点間コミュニケーションのイメージ

マルチフィジックス解析ソフトウェアであるANSYSのクラウド上での利用に関して、同社は「ANSYSクラウドホスティングパートナー」に認定されており、製造業における多様な領域で実績を持つANSYSソフトウェアを利用できる。

新サービスの料金体系は、定額の基本料金と従量制の計算リソース利用料金の合算。なお、CAEソフトウェアのライセンス料金は別途必要となる。