大日本印刷(以下 DNP)は9月10日、ヘッドマウントディスプレーを装着し、VR(仮想現実)の空間に作られた仮想の美術館で、彫刻や絵画を手に取っているかのように鑑賞できるシステム「DNP Virtual Gallery(バーチャルギャラリー)」を開発したことを発表した。
価格は、初期導入費が200万円〜、コンテンツ入替作業費は20万円〜/回、リース費は30万円〜/日(機材費・運営は別途)。
美術館や博物館では、作品から一定の距離を置いて鑑賞するのが一般的だが、DNPバーチャルギャラリーのVR空間では、作品を実際に手に取っているかのように間近で鑑賞でき、ディテールも含めて楽しむことができるのが特長。絵画のほか、彫刻などの立体物、動画やパノラマVRなども楽しめる。
また、鑑賞者がVR空間で気に入った絵画などの複製を購入することも可能。購入の申込みをするとバーコードシートが出力され、複製作品と交換できる機能も搭載している。絵画の複製作品は、作品に限りなく近い色調やタッチを忠実に再現した「DNP高精彩出力技術プリモアート」で製作される。
DNPバーチャルギャラリーと同様のものを制作する場合、DNPの従来のVRの制作方法であれば半年以上の期間と相当の制作費用が必要となる。同システムでは、美術館の外観や内観、作品別展示ルーム、絵画の額などがテンプレート化されているため、絵画等の画像や動画のデジタルデータがあれば、従来よりも短期間・低コストで導入可能。展示する作品などのコンテンツの入れ替えも容易で、ギャラリー内の壁紙や絨毯、額なども複数のテンプレートから選択できるという。
DNPは、美術館や博物館、出版社などへ同システムを提供するとともに、企業のショールームや販促キャンペーン等にも活用し、2020年度までに3億円の売上を目指すとしている。