日立製作所と日立(中国)有限公司は9月10日、中国の大手IT企業テンセントとIoT分野における戦略的提携に合意したと発表した。

  • 調印の様子

    調印の様子

今回の合意に基づき、日立グループとテンセントは長期的な提携関係のもと、スマートシティの構築や製造・物流分野のスマート化など、さまざまな事業分野でのIoT化に向けて、両者が有する技術・資源を活用し、新たな市場開拓に協力する。

また、低コスト、高効率、かつ安全性が高いIoT環境の構築を推進し、中国政府の一帯一路構想を背景に両社は「健康中国」「美麗中国」「ネットワーク強国」などの活動に積極的に参加し、社会イノベーション事業を通じて、中国社会の持続可能な発展および人々のQoL(Quality of Life)向上に貢献していくという。

テンセントは、テンセントクラウドなどのIoTに関する先進技術を開発した実績を有する一方で、日立はITとOTの経験・ノウハウを有し、スマートシティやスマートビルディングなどの分野におけるトータルソリューションを提供することを可能としている。

現在、両社は昇降機や空調設備などの製品や、生体認証技術などに、テンセントのIoTシステムを導入する検討を進めており、さらに今後は健康養老やスマート製造、スマート物流、法人向けアプリケーション「WeChat(企業微信)」の展開に向けた技術交流・協力を予定している。

日立グループは、社会イノベーション事業のグローバル展開を加速しており、中国は日立グループにおける重要な市場の1つ。現在、進めている「2018中国事業戦略」では、プロダクト事業のさらなる強化と中国発展の方向性に合った社会イノベーション事業の拡大を柱とし、IoTプラットフォーム「Lumada」を活用しつつ新たなソリューション・価値を創出することで、中国での売り上げを2018年度に1兆1000億円に拡大することを計画している。