シトリックス・システムズ・ジャパン 代表取締役社長 青葉雅和氏

シトリックス・システムズ・ジャパンは9月7日、2018年度上半期ビジネス状況と下半期ビジネス戦略に関する記者発表会を開催した。

代表取締役社長の青葉雅和氏は、2018年度上半期ビジネスについて、第1四半期および第2四半期のいずれにおいても前年同期比を達成したと説明した。第1四半期売り上げは前年同期比5%増の6億9700万ドル、第2四半期の売上は前年同期比7%増の7億4200万ドルだった。

日本の第1四半期決算は、プロダクトベースの売上が前年同期比15%増、ネットワーク関連製品の売上が前年同期比52%増、プロフェッショナルサービスの前年同期比129%増だったという。

青葉氏は、現在の職場環境は「オフィスで仕事する人とリモート/モバイルワーカーが同数」「社員は1日に4カ所以上の場所で仕事をする」「現在の働き手の大多数はミレニアル世代」という特徴を持っているが、これらの要素から、企業ではアプリケーション、デバイス、ワークスタイルの多様化を招いていると指摘した。

こうした環境で、アプリケーションやデバイスを安全に使おうとすると複雑性が増し、適切に管理するとなると、IT部門に負荷がかかる。

青葉氏は、同社がこうした課題を解決するため、デジタルワークスペース「Citrix Workspace」を提供していると述べた。Citrix Workspaceは、ユーザーに対し、アプリケーション、デバイス、ネットワークのタイプや利用場所にかかわらず、共通のエクスペリエンスを提供する。

  • 「Citrix Workspace」の概要

続いて、青葉氏は同社が注力している分野「働き方改革」に関する取り組みを紹介した。同社が3月に、働き方改革推進に向けて導入済み/導入検討中のソリューションを調査したところ、「Web会議などのコラボレーションツール」が最も多かったという。これに「仮想デスクトップ/アプリケーション」「モバイル管理ツール」が続く。

青葉氏は、同社が働き方改革推進に向けて検討されるソリューションをほぼすべてそろえていることをアピールした。

  • 働き方改革の推進に向けて導入済み/導入検討中のソリューション

また、同社の働き方改革に関する事例を分析すると、その目的は「現場業務の効率化と顧客」「コラボレーション加速」「柔軟な働き方」の3つに分類できることが紹介された。

「現場業務の効率化と顧客」は主に金融や公共、「コラボレーション加速」は主に製造、「柔軟な働き方」は全業種で取り組まれているという。

  • 事例から分析した働き方改革の目的

また、青葉氏は、テレワークを推進するにあたって効果が高いポイントして「女性」「20代・30代」「バックオフィス」「週8時間」を挙げた。働き方改革で利用されるテクノロジーは多様化しているが、同社としては、Citrix Cloud、ワークスペース・テクノロジーでカバーしていくという。

同社は長年マイクロソフトと協業しているが、今後は両社で「Citrix on Azureを働き方改革向けに推進」「Citrix on AzureをWindows 10のマイグレーションに活用」「次のステップとしてSD-WANの推進」について、共同マーケティングを行っていく。

青葉氏は、「Windows 10はアップデートにおいてネットワークの負荷増大、古いアプリケーションの改修といった課題を抱えているが、Citrix on Azureによってこれらの課題を解決したい」と話した。また、「Citrix SD-WAN」は、マイクロソフトがSD-WANについて認定している2製品のうちの1つだという。