粒子のサイズと個数を一度に測定
Entgrisの日本法人である日本インテグリスは、9月5日から7日にかけて幕張メッセにて開催されている分析機器・科学機器専門展示会「JASIS 2018」にて、個数カウント式粒度分布測定器「AccuSizer(アキュサイザー)シリーズ」などの紹介を行なっている。
AccuSizerシリーズは、溶液内の粒子サイズとその個数を計測し、粒度分布を測定する測定器。用途に応じて、直径0.15μm~150μmの粒子の数と大きさを測定することができる「A9000シリーズ」と、0.5μm~400μmの粒子の数と大きさを測定することができる「A7000/A2000シリーズ」に大きく分けられる。
その原理は、1個1個フローセルに通した粒子にレーザー光を当て、粒子による遮蔽光と、粒子から出た散乱光を同時に測定、カウントし、粒子測定を行なおうというもの。光学的な粒子測定法を用いるため、溶媒の種類から影響を受けにいという特徴があるというほか、測定レンジを広く取れる、という特徴もあるという。
また、高性能機となるA9000では、このセンサにさらに集光レーザーとレンズを活用して、レーザーのパワーとディテクターの感度を向上させた独自の「FX-Nanoセンサ」を搭載。これにより、0.15μmの粒子までの測定を可能とした。
これらの活用先としては、バイオ医薬品のタンパク質凝集体の測定や、インク、半導体製造の際に、ウェハを平坦化させるCMPの研磨剤(スラリ)などが挙げられる。例えばCMPスラリでは、ある程度流し続けると、フィルタなどの問題から、大きなサイズの粒子が増え、歩留まり悪化の原因となるウェハ表面上の傷を生み出すが、同測定器を活用することで、粒経と個数の経時モニターが可能となり、歩留まり向上につなげることができるようになるという。
ナノサイズの粒子の測定が可能な測定器
また、このほか同社ブースでは、動的光散乱法(DLS)方式を採用した粒度分布測定と電気泳動光散乱法(ELS)方式によるゼータ電位測定を1台で行なうことを可能とした「Nicomp(ナイコンプ)シリーズ」の紹介も行なわれている。
こちらは、高出力レーザーと高感度検出器の組み合わせによりシングルナノ粒子からの粒度分布測定を可能とした測定器。ゼータ電位測定においては、静止層への光学的調整が不要な構造を採用しているため、誰でも簡単にゼータ電位を測定することができるとするほか、PALS測定機能により、高塩濃度条件化でのゼータ電位測定の範囲を拡張することも可能だという。
なお、これらの製品群は、Entgrisが2018年に買収したParticle Sizing System(PSS)が開発・製造してきたもの。日本法人であったピーエスエスジャパンも2018年5月1日付けで日本インテグリスへと統合されたとのことで、今後は、日本インテグリスとして、継続して販売を行なっていくとしている。