普段あまり意識することはないが、人のコミュニケーションの大半を占める言葉と文章には大きな違いがある。音声で伝える言葉では、"間"や声の抑揚など感情が即座に伝えられると同時に、ツールを必要としない手軽なコミュニケーションが可能だ。一方、文字を主体としたコミュニケーションでは紙であれ、スマートフォンであれツールが必要になるが、箇条書きや要約など、よりスマートな資料へと昇華できると同時に、より多くの人々に資料を配置できる利点がある。

ECなど顧客と直接接点を持ちにくいオンラインでのサービスではコールセンターが大きなチャネルのひとつになる。コールセンターでのサポートサービスは、音声での会話が重要な役割を担っている。丸紅情報システムズは、Google Cloud Platform(GCP)を活用したクラウドAIサービス「MSYS Omnis」(エムシス オムニス)に多言語や翻訳など新機能を追加したことを発表した。

オムニスはGCPのGoogle Cloud Speech APIを活用し、コールセンター向けに同社が独自にカスタマイズするアプリケーションだが、今回新たに120以上言語に対応するなど新機能を追加、オペレーターが言語を選択することで各言語や方言など対話をリアルタイムで処理できるほか、キーワードに対応したFAQを使った適切な回答参照も可能になるなど業務効率向上を実現する。オペレーターと顧客の会話のテキスト化、文章要約など短期間でのシステム構築や従量課金での利用など素早い対応に加え、Googleが広げる機能をオプションで組み合わせられるなどの利点を持つ。

今後Google Cloud Platform が提供するCloud Vision API 、 Cloud Natural Language API 、 Cloud Machine Learning Engineなどの活用も検討しており、コールセンター業務で活用できる画像認識、感情分析、自然言語理解、ディープラーニングをオムニスのサービスとして順次拡充することを目指すとしている。