長野県伊那市は、国内の行政として初めてドローンによる物流の事業化を目指し、伊那市ドローン物流プロジェクトを開始すると発表した。

近年、高齢者を中心に食料品をはじめとする日用品の買物に苦労している人が増加しており、プロジェクトでは、地域住民や地元企業と連携して、ドローンを用いた新たな物流システムを構築することにより、中山間地域における買い物弱者支援と地域経済の振興を図る。プロジェクトの事業化に向け、KDDIとゼンリンもプロジェクトに参画する。

  • 伊那市ドローン物流事業プロジェクト概要

プロジェクトは、「空飛ぶデリバリーサービス構築事業」、「INAドローンアクア・スカイウェイ事業」という2つで構成され、「空飛ぶデリバリーサービス構築事業」では、中山間地域におけるドローンを活用した荷物配送サービスの実用化に向け、各地で目視外飛行実験を積み重ねてきた KDDIの「スマートドローンプラットフォーム」により、地元スーパーや道の駅等と連携した具体的なビジネスモデルの構築を目指す。また、今回の事業実施にあたっては、伊那ケーブルテレビジョンの参画により、ケーブルテレビを介した商品の受発注の仕組づくりを進める。

一方の「INAドローン アクア・スカイウェイ事業」では、ゼンリンの「空の三次元地図」をベースに、伊那市の南北に流れる天竜川や、東西に流れる三峰川の上空域をドローンの長距離幹線航路として、中心市街地と中山間地域等を結ぶサプライチェーンの形成を目指す。