デルは8月29日、都内で記者会見を開き、同社の広域営業統括本部におけるインサイドセールスの大幅増員を発表した。

昨年に引き続き50人のインサイドセールスを大幅増員

デル 執行役員 広域営業統括本部長の清水博氏は同社のインサイドセールスの守備範囲について「認知、興味・関心を抱いてもらうことが一般的なインサイドセールスだが、われわれは過去の顧客情報やITの投資動向を分析し、顧客の潜在ニーズを顕在化させるなど、提案・比較、購買行動につなげるフェーズも担っている」と、同社の優位性について説明した。

  • デル 執行役員 広域営業統括本部長の清水博氏

    デル 執行役員 広域営業統括本部長の清水博氏

広域営業統括本部は、100人以上1000人未満の大企業・中堅企業4万6454社を対象にビジネスを展開し、2017年1月に発足してから18カ月が経過している。

これまで昨年1月に全国17都市でセミナー開催、同2月にIT投資動向調査、同3月にクイックウィンソリューションの提供、同4月にインサイドセールスの大幅増員同5月にバックアップに関する調査同6月にクラウドサービスの発表、同10月に「ひとり情シス」大会議の開催、同12月に検討~廃棄、更新までの各フェーズにおけるPC管理の「ゆりかごから墓場まで」支援を実施。そして、今年2月には全国47カ所でのセミナー開催、同7月にはひとり情シス本を発刊し、積極的にビジネスに取り組んでいる。

清水氏は上記の実績を踏まえ「昨年もインサイドセールスを50人増員したが、引き続き今年も50人を増員する。中堅企業向けの戦略強化とビジネスの成長に伴い、昨年と同規模の採用を実施し、インサイドセールスを進化させる」と、強調した。

大幅増員の背景としては、同社のビジネスが拡大しているほか、顧客の人材不足、人材育成の実績、進化したインサイドセールスを実現していくためだという。応募条件は業界経験は問わず、意欲を重視した採用を行い、IT業界未経験、第二新卒と幅広く応募を受け付ける。

進化したインサイドセールスに向けた新施策

同社では、大幅増員に伴う進化したインサイドセールスを実現するため、新たな施策として「インサイドセールスの新オフィス開設」「第ニ新卒向けカリキュラムの開発」「デジタルセールスで働きやすさを追及」「Dell Technologiesのキャリアパス」「人材育成プログラムの強化」の5つに取り組む。

インサイドセールスの新オフィス開設では、東京本部をこれまでの川崎市のオフィスから三田に所在するデルの東日本支社に移転し、今秋には大阪・堂島に大阪本部を設置するほか、インサイドセールス応募者のライフスタイルの多様性に対応するという。これにより、定期セミナーや朝活、フィールドセールス、新設するハイブリッドセールスの活動の拠点、実機検証・確認などが実施できる環境を整備。

ハイブリッドセールスは、インサイドセールスの役割を担いつつ、顧客への提案の正気段階から顔を合わせた商談を行い、中堅企業のエバンジェリストとして課題や顧客向けの具体的な提案までの案内などを行う。

  • ハイブリッドセールスの概要

    ハイブリッドセールスの概要

第ニ新卒向けカリキュラムの開発に関しては、これまでの画一的なトレーニングの効果にバラつきがあり、戦力化が遅れることがあったものの、適応能力が速く、ポテンシャルを秘めているため、第二新卒向けのカリキュラムと新人事制度をスタートする。具体的には研修期間の長期化(新卒並)、新卒と同等のカリキュラム、採用月の同期入社、英語研修などポテンシャル採用者向けの制度を設ける。

  • 第ニ新卒向けカリキュラム・制度の概要

    第ニ新卒向けカリキュラム・制度の概要

デジタルセールスについては、デジタルセールスに注力し、セールストークの音声データを形態素解析し、リアルタイムにコーチングすることを可能としている。

  • デジタルセールスの概要

    デジタルセールスの概要

Dell Technologiesのキャリアパスに関しては、Dell、Dell EMC、Pivotal、RSA、SecureWorks、Virtustream、VMwareの7つのテクノロジー企業へのジョブチェンジの可能性がある。さらに、スタートアップ企業ようにイノベーションフェーズから高いマーケットシェアや実績を供給する企業まで成長サイクルのすべてで働くことができる可能性もあり、2018年8月時点で日本国内だけでも188のオープンポジションが募集中となっている。

  • キャリアパス形成の概要

    キャリアパス形成の概要

人材育成プログラムの強化では従来の社内資格制度、日本独自のプログラムに加え、2018年度からサーバ検定(1級~3級)、ひとり情シス検定(同)、PCマイスター制度などの「中堅企業向けプログラム」、シチュエーショナルネゴシエイション、クリティカルシンキング、アカウントマネジメントをはじめとした「営業特別トレーニング」を新たに開始する。

  • 人材育成プログラム強化の概要

    人材育成プログラム強化の概要

清水氏は「第二新卒採用が高いパフォーマンスを発揮しており、前職がIT関連よりも金融や保険、不動産、住宅など異業種からの転職者の平均達成度が高くなっている。そのため、IT関連以外でも幅広く、人材を募集していきたいと考えている」と、力を込めていた。