沖縄セルラー電話、KDDI、倉敷紡績(クラボウ)は、クラボウが開発したIoTスマートウェア「Smartfit」を活用し、沖縄県独自の環境にあわせた熱中症リスク低減のための解析アルゴリズムを開発する実証事業を開始する。
沖縄県は全国平均より気温や湿度が高く、本土と気象条件が異なる独自の「暑熱環境」が存在する地域であることから、実証事業では、沖縄県のIoT実証事業補助を活用して独自のアルゴリズムを開発することで、より沖縄県の環境に適した独自の熱中症リスク管理に役立つシステムを構築する。
具体的には、大米建設とサンワコムシスエンジニアリングが担当するKDDI那覇ビル解体工事、au基地局工事の現場作業員に「Smartfit」を5カ月間着用してもらい、心拍、温度、加速度などのバイタルデータをアルゴリズムの基礎データとして収集。日本気象協会が提供する気象データと合わせて大阪大学がデータを分析しアルゴリズムを開発することで、熱中症リスク管理支援システムを構築する。
建設作業員のバイタルデータと沖縄県の気象データなどをクラウドサーバに蓄積することで、作業員ごとの暑熱環境下での作業リスクをリアルタイムに評価することが可能になる。
その評価結果は、現場管理者および現場作業員にリスク情報として通知し、早期の熱中症予防に役立てていくほか、それらの熱中症予防に役立つ知見を沖縄県と共有し、県内の熱中症対策に活用していくとしている。
共同企業体および共同研究体制として、沖縄セルラーは「実証事業統括、通信環境の構築」、KDDIは「沖縄県IoT基盤の連携支援」、クラボウは「Smartfitの提供、システムの構築」、大阪大学 基礎工学研究科は「データ解析評価、アルゴリズムの構築」、日本気象協会は「アルゴリズム構築のための気象データの提供」を行う。