2020年から必修となる小学校のプログラミング教育。さらに翌2021年からは中学校でも「社会におけるコンピューターの役割や影響を理解するとともに、簡単なプログラムを作成できるようにすること」という目標が設定され、プログラミング教育が本格化する。
現在は移行期間として全国の小中学校でさまざまな教材を用いたプログラミング授業の実施・検証が行われているが、岐阜市教育委員会では2017年度から「Pepper社会貢献プログラム スクールチャレンジ(第1弾)」に参加し、273台のPepperを配付した岐阜市内の公立小中学校39校でPepperを使ったプログラミング授業を実施している。
「Pepper社会貢献プログラム スクールチャレンジ(第1弾)」は、ソフトバンクグループ株式会社が、子どもたちの論理的思考力や問題解決力、創造力などの育成に貢献することを目的として、Pepper本体と教師用指導書その他必要機材一式を2017年4月から3年間無償レンタルする取り組みで、岐阜市以外でも全国17自治体282校で約2,000台のPepperが導入されている。
岐阜市では、さらに本年度から残りの公立小中学校29校に有償となった「Pepper社会貢献プログラム2(第2弾)」を導入し、市内すべての公立小中学校でPepperを活用したプログラミング授業を実施している。
岐阜市内の公立小中学校68校中39校が立候補
Pepper導入の舵を切った岐阜市教育委員会 赤地氏は「Pepper社会貢献プログラム」に参加した背景をこう語る。
「2017年度は無償だったということと、岐阜市内の公立小中学校にヒアリングしたところ、39校から自分の学校でPepperを使ったプログラミング授業を実施したいという声をいただき、その39校に導入しました」(赤地氏)
岐阜市ではPepperプログラミング授業を実施するにあたり、赤地氏が各校の担当教師を集め、Pepperおよびプログラミングツール「Choregraphe(コレグラフ)」の研修とソフトバンクから提供される教師用指導書を配付。教師用指導書には授業の流れや児童生徒にプログラミングしてもらうテーマとその模範解答となるプログラミングまで掲載されており、できるだけ教師に負荷をかけずに授業を実施できる環境を整えた。
一方、残りの公立小中学校ではプログラミング授業は実施しなかったが、課外活動で「Scratch」を使ったプログラミングを実施。
「文科省の方から『Scratch』を使ってみてはとアドバイスをいただき、残りの学校ではクラブ活動などで『Scratch』を体験してもらいながら、本年度のプログラミング教育をどう進めていくか検討していました。『Scratch』はブラウザ上で動くプログラミングツールですので各校に配布しているタブレットやPCのみで実施できますし、ブラウザ上のキャラクターを制御するプログラムがビジュアル化されたブロックと呼ばれるものを組み合わせるだけでプログラミングができますので、小中学校でのプログラミング教育には向いていると思いました」(赤地氏)
2017年度は39校でPepperを使った「Choregraphe」によるプログラミング授業、残り29校では課外活動での「Scratch」によるプログラミング体験が実施されることとなった。