丸紅は24日、国内の施設園芸農家向けに農作物への最適化栽培支援システムの開発・販売を行うプラントライフシステムズへの第三者割当増資引き受けによる出資を行ったことを発表した。

プラントライフシステムズは、農作物の品質と収穫量を同時に向上させることで高収益を目指す農業支援を掲げている。自社開発の植物生体モデルを活用した人工知能システムと施設内のセンサーが連動することで施設内の農作物生体そのもの状況を把握、その都度最適な作業指示を与えるIoTシステム「KIBUN」をトマト栽培向けに販売している。

公式サイトにはその概要が掲載してあるが空中センサーのみならず培地センサーや溶液タンク内のセンサーからもデータを取得し分析、クラウドを通じて作業指示を行う仕組みを持つ。園芸施設(10アールあたり)の状況を1セットのセンサーで計測、通信量や使用電力量へ配慮するなどコンパクトな設計も特徴に挙げている。同社は三菱総合研究所が開催する「ビジネスアイデアコンテスト2017」で最優秀賞を受賞しており、"技術的なユニークさと食料問題の解決に資する実績に裏づけされた成果"が評価されている。

丸紅は、今後プラントライフシステムズが有する商品・技術・販路を組み合わせた農業関係者への新たなデジタルソリューションの提供、人工知能システム活用による国内農業の課題の解決を図る。また、将来的には、生産・流通・販売に至る様々なソリューションを提供するためのデータ基盤の構築を目指すことを述べている。同社は、4月1日より従来の「IoT・ビッグデータ戦略室」を改組、「デジタル・イノベーション部」としてデジタル技術活用のビジネスモデルの創造に取り組んでいる。