独自開発のAIを活用した画像認識を用いて広告の配信を行うGumGum Japanは8月23日、日本市場でのビジネスを本格化するにあたって、説明会を開催した。
GumGumのビジネス全体については、GumGumのPresident & Chief Operating Officerを務めるPhil Schraeder氏が説明した。同社の武器とも言える画像認識技術が「Computer Vision」だ。
Schraeder氏は、同技術で認識する対象として、オブジェクトと顔を挙げた。同技術では、アルゴリズムによって、Webコンテンツの画像から商品などのオブジェクトや特徴、人物の顔の特徴・向きを認識する。さらに、コンテキストも分析することで、ユーザーが閲覧しているWebコンテンツの内容にあった広告の配信を行う。
例えば、Webコンテンツの女性の画像から肌や髪の毛を認識・分析したり、自動車の種類を特定したりといったことが可能になる。
同社は広告配信に加え、「スポーツスポンサーシップ評価」も展開している。これは、ブランドやライツホルダー向けに、テレビ・ストリーミング・SNS上でのスポンサーシップのメディア価値を評価・分析するサービスだ。
例えば、バスケットボールの試合を撮影した画像や映像の場合、ホームゲームであること、ロゴが含まれていること(以下の写真の場合はOracleのロゴ)を認識したうえで、「いいね!」などの数や放映された時間などからメディア価値を評価する。
Schraeder氏は、「スポーツスポンサーシップ評価を提供することで、ブランドとライツホルダーが意思決定できる通貨を提供していきたい」と語った。
さらに、同社が提供するメリットに「ブランドセーフティ」がある。これは、AIによって、Webコンテンツ内に銃などリスクの高い画像や文言がないかどうかを分析し、1つでもアンセーフなコンテンツがある記事には広告を配信しないことで、ブランドを保護する仕組みだ。
現在、同社のソリューションを導入した顧客は平均して37%のブランドリフト、3.5倍のROA向上を実現しているという。
Schraeder氏は日本市場について「われわれはグローバルで21の拠点を構えているが、日本は4番目の市場となる。日本に進出した理由は、当社の製品と日本の親和性が高いこと、デジタルマーケティング市場で日本はトップ5に入ることがある」と語った。
日本におけるビジネスについては、GumGum Japan マネージング・ディレクターの若栗直和氏が説明した。GumGumはグローバルで広告配信とスポーツスポンサーシップ評価を展開しているが、日本では現在のところ、広告配信のみ提供している。
若栗氏は、同社の広告配信の特徴として「ユーザーのモーメントをとらえたターゲティングが可能」「自由度の高いクリエイティブな表現」「徹底したブランドセーフティ」を挙げた。
「われわれの広告ソリューションは、画像を日本語で認識したうえで、広告を配信できる。インハウスのデザイナーが制作する、自由度が高く、新しい表現による広告を配信できる」
国内では配信先として3000万のリーチに対応しているが、これはFacebookと同等の規模だという。また、国内では既に62のキャンペーンをローンチ済みだ。
若栗氏は、今後の展開について「オリンピックが開催される2020年に向け、広告商品およびパブリッシャーの拡充を図っていく。これにより、企業がオリンピック向けのデジタル広告ツールとして、GumGumを想起してもらうようにしたい」と語っていた。