シェアオフィスを展開するWeWork Japanは8月9日、8月1日に東京原宿にオープンした6つ目の拠点「WeWork Iceberg (アイスバーグ)」をプレス向けに公開した。
Icebergはビルの1階~7階までがワークスペースとなっており、最大700名ほどを収容できる。同社が旗艦店と位置づける店舗だ。ターゲットは、クリエイター、アーティスト、起業家などで、同社は原宿という地域カルチャーとの化学反応を起こし、新しいイノベーションが生まれる環境を創造するとしている。
WeWorkの特徴は、会員(同社はメンバーと呼ぶ)同士が出会うことにより、新たなイノベーションを起こすことをコンセプトにしている点だ。
日本ゼネラルマネージャーの高橋正巳氏は「WeWorkは、単にスペースを提供するだけでなく、メンバーが出会い、刺激しあい、情報共有することでイノベーションを起こすメンバーシップビジネスを行っています」と語る。
そのため、各店舗には、コーディネートチームがおり、メンバー同士の交流を促すイベントを企画・運営する。
これまで、業務提携の事例や弁護士が事務所を設置し、メンバーと顧問契約を結んだという成功ケースもあるという。
また、地域交流もはかり、「Culture meets innovation」をテーマに、ローカルコミュニティ拠点としての役割も担っていくという。
Icebergの1~2階は共有スペースで、1階はイベントスペースも兼ね、週3-4回、トークショーやパネルディスカッションなどのイベントを行う。イベントスペースは、営業時間外であれば、メンバー以外の利用も可能だ。
3階より上は、専用スペースとなり、専用デスクやプライベートオフィススペースがある。
Icebergは、旗艦店として、日本初、世界初の取り組みもある。世界初の取り組みとしては、会員以外の一般の人も利用できるカフェがある。また、大型のデジタルサイネージやDJブースの設置は日本初の取り組みだという。
契約は1カ月から可能で、契約は拠点ごとの契約になるが、メンバーであれば海外も含めて別途料金を支払えば他拠点を予約して利用できる。
また、最近、働き改革の一環でサテライトオフィスとしてシェアオフィスを利用する企業が増えていることから、今後は、契約する企業の社員であれば、人数枠に応じて誰でも利用できるしくみも取り入れていくという。
WeWorkは、グローバルで25万人以上の会員がおり、日本では今年の2月からビジネスを開始。7月時点のメンバー数は約5200だ。また、店舗デザインを内製化しているのも同社の特徴で、髙橋氏は「世界の成功事例を取り入れるデータドリブンな設計を行っている」と語る。
海外の拠点では、センサーを使って使い方を分析したり、設計する際にもさまざまなシミュレーションをすぐに行うことができ、最適なレイアウトや使い方を分析している。
創業当初はクリエイターや企業家、スターアップを主なターゲットに据えていたが、最近は中小企業やエンタープライズの企業ユーザーもターゲットにしている。そのため、個人の起業家から大企業まで、いろんな人たちが入居していのが特徴だ。
「大企業の方の中には、社内カルチャーを変えたい、スタートアップとの接点を持ちたいというニーズもあります」(高橋氏)
デジタルトランスフォーメーション、マーケティング、新規プロジェクトなどの組織のオフィスとして利用するケースが多く、一定期間しか利用しない、今後、拡大する計画があるなど、当初から期間限定で利用することを想定している場合や、新規事業をするにあたって新たな出会いや刺激を求めているケースもあるという。
今後は横浜、大阪、福岡にも出店予定で、現在の6店舗も年内に10-12店舗に拡大する計画だ。
高橋氏は今後の拡大計画について、「同じ都市に複数拠点を設けることによる相乗効果があり、他拠点のイベントやコミュニティにも参加できるので、そういったネットワークも利用できます。企業がサテライトオフィスとして利用するケースもあるので、大都市など密集したエリアから展開したいと思います」と語った。