市場調査会社の米IC Insightsは、2018年のDRAM市場が、前年比39%増の1016億ドル(約11兆円)に達する可能性がでてきたと報じた。世界半導体市場統計(WSTS)の定めたIC製品33種類の分類の中で、価格が高止まりしているDRAMが、2017年に引き続き、市場規模でトップの座を維持するのは確実の見通しとなった。

半導体の製品カテゴリ別で1品種の市場が1000億ドルを超すのは、業界史上初のこと。2018年の半導体市場の規模を同社では4280億ドルと見ているため、DRAM単独でその約1/4(24%)を占めることとなる。

また、DRAMに次ぐ市場規模を有するのは、供給過剰により価格の下落が続くNANDで、約626億ドル(製品別市場シェアは14%)で、DRAMおよびNANDの2製品のみで、半導体市場の約4割を占める規模となる。

3番手市場は、標準PC/サーバ用MPUで、同5%増の508億ドル。MPU市場が500億ドルを超すことも、業界史上初となるという。追い風となっているのは、IoT関連のAI制御システムやデータ共有アプリなどのクラウド、機械学習の普及で、加えてIoTのセンサが生み出すデータの通信量が増加していることも、その処理のためのデータセンターニーズを加速させている。また、4番手市場は、コンピュータおよび周辺機器向けロジックICで276億ドル、5番手は、ワイヤレス通信向けロジックICで260億ドルとなる見込みである。

数量ベースで市場の過半数を占めるアナログIC

金額ベースではなく、数量ベースで見た場合、もっとも数が出ると見られるのはさまざまな機器の電源管理用アナログICで、その数は実に712億個と見積もられる。2位は、ワイヤレス向けアナログICで234億個、3位は汎用ロジックICで217億個、4位は産業向けアナログICで189億個、5位は車載アナログICで160億個と予測されている。なお、2018年の全IC販売数量は3181億個と見積もられており、アナログIC全体では、そのうちの54%を占めるものと見られている。