アグレックスは8日、コンタクトセンターにおける顧客対応の自動化を実現する「AI チャットボット支援サービス」の提供を開始した。

  • ロボット×人間で失敗のない顧客対応の自動化を実現する「AI チャットボット支援サービス」

    ロボット×人間で失敗のない顧客対応の自動化を実現する「AI チャットボット支援サービス」

昨今、コンタクトセンターにおいては人材不足を背景に、顧客対応の自動化の整備が急務となっている。その中でチャットボットは注目されており、特に人工知能を搭載したAIチャットボットは、予め設定したシナリオで回答するだけではなく、AIによる自然言語処理による高度な意図解釈が可能で、導入を検討する企業が増えている。しかし、実際には導入しても充分な活用ができなかったり、長続きしなかったりというケースが見受けられる。

「AI チャットボット支援サービス」は、AI チャットボットツールの選定を含む導入コンサルティングから稼働後の運用までをワンストップで支援するサービス。人間とロボットを協働させることで、コンタクトセンターの省力化と品質維持や稼働時間拡大など、良質な顧客体験をもたらす対応の両立を実現するものだ。

現時点ではAIチャットボットだけではすべての問合せへの対応は難しく、オペレータとチャットボットの対応範囲を明確にする必要がある。同サービスでは、事前準備の段階で、コンタクトセンターに寄せられた電話やメールなどの問合せデータを分析することで、状況に応じた対応が必要な問合せと一意的な回答が可能な問合せを分類し、人間とロボットの対応範囲を適切に設定できるとしている。

AI学習データの作成においては、アグレックスが同社コンタクトセンターの業務改善を目的として 培ったテキストマイニングやFAQマネジメントのノウハウを活用することで、顧客の負担の少ないスピーディな導入・運用を可能にするとしている。

  • 「AI チャットボット支援サービス」の流れ

    「AI チャットボット支援サービス」の流れ

なお、同サービスの展開に先立ち、2017年11月〜2018年3月に、同社のグループ会社であるTISのデータセンターの社内問合せ窓口において、以下のAIチャットボットの試験導入を実施した。

「データセンターを利用する際の申請や見積りと、それに関する問合せ対応」という業務内容について、「質問者が自己解決可能なFAQ掲載済の問合せが減らず、本来人手をかけて対応すべき問合せに時間を使うことが出来ない」という課題があった。

その解決策として、AIチャットボットを導入して自己解決を促進し、人間とチャットボットの対応範囲を分けるハイブリッド形式を採用し、有人対応件数の削減を狙った。その結果、 有人対応件数が約11%削減したということだ。

今後は、チャットボットの対応範囲拡大・精度向上を図り、有人対応件数をさらに削減させるとしている。