マカフィーは8月7日、都内で新セキュリティポートフォリオ「McAfee MVISION(Multi Vendor Insight & Intellegence Open Enviroment)」について記者説明会を開いた。
新製品は、SaaS型コンソール「McAfee MVISON ePO」、Windows 10に標準搭載されたセキュリティ機能を管理・強化する「McAfee MVISION Endpoint」、モバイルデバイスに対する脅威を可視化・防御する「McAfee MVISON Mobile」で構成。
シンプルな管理、機械学習を活用した未知の脅威対策によるWindowsセキュリティ強化や、iOS、Androidデバイスの脅威防御を提供することで、セキュリティ対策の重要な制御ポイントとなる複数のデバイスを強化するという。
企業のセキュリティ担当者が単一のコンソールでWindows 10標準搭載のセキュリティ機能と同社製品を組み合わせてシームレスに管理することを可能としている。
会見の冒頭、マカフィー マーケティング本部 プロダクト・ソリューション・マーケティング部 部長の平野祐司氏は「AIやIoTの普及により、2020年にスマートデバイスの利用は400億台が見込まれ、デバイスの活用方法が焦点に当てられるだろう。また、働き方改革に伴う効率化や生産性に加え、デジタル化によるクラウド利用、データ収集などの活用に関心が向けられている。さらに、マルウェアなどの脅威は常に存在し、われわれでは1日あたり平均510億のクエリを受け付けいてる」と述べた。
このような状況を踏まえ、企業では多様なデバイス、多様なセキュリティ対策により、複数のセキュリティツールを導入することから、管理が煩雑になると指摘。そのため、セキュリティ管理者は可視化、脅威把握、運用管理を単一化したいと考えているという。
マカフィー セールスエンジニアリング本部 本部長の櫻井秀光氏はMcAfee MVISIONシリーズについて「『簡単』『協調』『広範』の3つが特徴だ」と話す。
MVISION ePOはコンソールをシンプルかつ一元化し、直観的な操作性に優れ、既存のePO環境からの移行を容易としており、企業はセキュリティリスクを軽減することに集中できるため、常に最新のセキュリティ機能を使用することができるという。
また、Amazon Web Service(AWS)上でePOのインスタンスを提供し、これまでオンプレミスのサーバで行っていたデータベース管理を可能とするなど、ユーザーはSaaS、AWS、オンプレミス型の形態から選択することが可能。
MVISION Endpointは、Windows 10に標準搭載されたマルウェア対策ツール「Windows Defender」を管理・強化し、機械学習機能を用いた軽量な単一のエージェントにより、Defenderを補完。このれはMVISION ePOを通じて管理され、ファイルレス、ファイルベースどちらの高度な脅威からも防御するほか、複数の複雑な管理プラットフォームに煩わされないという。
櫻井氏はMVISION Endpointに関して「Windows Defenderに、われわれの機械学習のエンジンが乗り、1つの管理コンソールで両方の機能を意識することなく管理できる。また、われわれ独自の機能で感染システムのロールバック機能を追加している。これは、感染した直後のエンドポイントデバイスにおける挙動を機械学習エンジンで情報をクラウドに送り、分析した上で数秒後に不審な挙動と判別した際は、ファイルが書き換えられる直前にバックアップすることが可能だ」と、説く。
MVISION Mobileは同社初となるモバイル向けとなり、iOSやAndroidのモバイルデバイスに対する脅威を可視化・防御。そのほかのデバイス同様にセキュアな環境を提供し、モバイルデバイスがどのような接続状態(企業内ネットワーク、公共AP、携帯電話回線、さらにオフラインでも)であっても常時保護を可能としている。
また、機械学習機能を搭載しており、高度な攻撃を正確に特定し、防御することができるほか、MVISION ePOにより、PCやサーバなど、他のデバイスと同様に単一のコンソールでの管理を可能とし、クラウド接続が必須ではなく、オフラインでも稼働できるという。
なお、従来製品は永久ライセンスで提供しているが、MVISIONは「MVISION Standard」(SaaS型のMVISION ePO、MVISION Endpoint、Endopoint Security)、「MVISION Plus」(多様なデバイスセキュリティ対応したフルスイート製品。ePOの導入形態をオンプレミス、AWS、SaaSから選択が可能)の2種類のスイートライセンス形式で、年単位のサブスクリプションライセンスで提供する。
また、新たにユーザーライセンス方式を採用し、従来のノード(デバイス)単位からユーザー単位の課金モデルとし、1ユーザーあたり5デバイスまでライセンスを許諾する。価格は、いずれも税別でStandardが1ユーザーあたり4501円(1000ユーザーから)、Plusが同9184円(同)。