新品の衣服や珍しい家具。"モノ"を購入すると夢が膨らみ、楽しい。購入からしばらくの間はその楽しみが充足し、プライベート/仕事とモチベーションが高まるという人も多いのではないだろうか。消費が経済を支える資本主義には、多彩な購入機会が必要になる。常に携帯するスマートフォンを使えば、欲しいと思った瞬間に購入できる。オムニチャネルやO2O(Online to Offline)をはじめマーケティング分野のITテクノロジーには、消費や購入を刺激して世の中を潤していくという消費資本主義喚起の役割も期待したいところ。
京都府に本社を構えるアドインテは6日、ベクトル、ビジョン、三越伊勢丹イノベーションズ、UFI FUTECH各社を引受先とする第三者割当増資を発表、いわゆる"マイクロロケーションデータ"を活用した販促・マーケティング事業を促進する。
アドインテは言語解析技術や行動分析技術を活用したコンテンツ配信を主軸としO2Oやオムニチャネルサービスを展開しており、なかでもWi-FiセンサーとiBeaconが一体となった「AIBeacon」は、GPSでの位置分析には適さない店舗内の特定場所である"マイクロロケーション"での分析に活用でき、同社が創業以来取り組む行動データの蓄積/分析からの行動予測高精度化も加わることで顧客接点の解析が進められる。
引き受け先のひとつである三越伊勢丹イノベーションズは、三越伊勢丹グループのベンチャー投資会社として、ベンチャー企業への投資をサービスやコンテンツ分野、顧客接点などリテールテクノロジーやビジネスモデルなどを主な投資分野に2016年に設立。以来、eギフトサービス「giftee」を展開するギフティや自動家計簿・資産管理サービスなどフィンテック分野のマネーフォワード、高級中古品ECベンチャー企業である「RELCO」を展開するアクティブソナー、厳選レストラン予約・決済サービス「POCKET CONCIERGE」運営のポケットメニューと独自性ある投資を重ねているが、今回の投資についてアドインテ自身のビジネスモデルや事業計画に基づく今度の成長性への期待に加え、事業面における三越伊勢丹グループとのシナジー効果が出資の判断へと至ったことも発表している。
ひとひとりが目にすることができる製品やサービスには限界がある。欲しいと思った瞬間や素敵な場所の購入体験はますます広がりを見せそうだ。