アジア・太平洋物理学会連合(AAPPS)プラズマ物理部門(菊池満部門会長、AAPPS-DPP)はこのほど、プラズマ物理学の進歩に貢献した研究者に贈るチャンドラセカール賞の第5回(2018年)受賞者に元日本原子力研究開発機構関西光科学研究所長で現在米カリフォルニア大学アーバイン校教授の田島俊樹氏を選出した。表彰式は11月12日から17日まで金沢市で開催される第2回アジア太平洋プラズマ物理国際会議で行われる。
発表によると、田島氏の授賞理由は「プラズマ物理学への幅広い貢献、特に安定に維持されるプラズマ状態としての超強度レーザー航跡場の発見と発明、高エネルギー粒子加速や医療応用へ与えた広範なインパクト、さらに高強度場科学と大規模な研究コミュニティの形成における指導的役割」。荷電粒子を高エネルギーに加速する革命的な新技術として素粒子研究や、がん治療への応用が進んでいるという。
日本原子力研究開発機構によると、田島氏は1948年1月生まれ。東京大学理学部卒業、同大学理学部物理学科修士課程修了後、米テキサス大学オースティン校助教授などを経て2005年日本原子力研究開発機構関西光科学研究所長などを歴任。レーザー粒子加速器の世界的権威として知られる。
同賞は、インド生まれの米国の天体物理学者で、プラズマ物理学に貢献し、1983年ノーベル物理学賞を受賞したチャンドラセカール(1910~1995年)氏を記念して創設された。
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