伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は7月30日、アジャイル開発推進のための共創スペース「アジャイルオフィス」を東京と愛知県豊田市に開設し、本格稼働を開始した。
同社は、2015年から米OutSystemsの日本での取り扱いを開始するなど、積極的にアジャイル開発に取り組んできた。同社では、アジャイル開発を推進する上では、ユーザー企業とエンジニアとのより密な連携が必須になり、意思疎通をしやすくすることで開発体制を強化し、関係者が一堂に会することができることから、アジャイル開発に特化したワークスペースを開設。
OutSystemsが提供する「OutSystems」は、最小限のコーディングでアプリケーション開発を実現するローコード開発基盤となり、アイコンのドラッグ&ドロップによる視覚的な開発や、複雑なWebやモバイルアプリの開発・運用・保守を同一の基盤で実現できることから、コーディング作業の省力化を可能としている。
また、運用面ではバージョン管理・デプロイメント管理・ジョブ管理・パフォーマンス分析などの機能を備えており、開発から運用を含めて3割以上のコスト削減や6倍の開発スピードの向上が期待できるという。
今回、開設したアジャイルオフィスはリモート接続することで開発に携わるすべての関係者が同一の場所に集う大部屋がコンセプト。
東京の大崎オフィス内に開設した「THE AGILE TOKYO」は、OutSystemsをはじめとしたアジャイル開発の技術と、アジャイル開発エンジニアの中心拠点。最新技術動向を集約し、CTCのアジャイル開発ビジネスを推進し、常時接続する専用会議室のほか、複数のミーティングスペースを設けており、東京のエンジニアがアジャイル開発をリモートで支援する。
豊田オフィス内に開設した「the agile office」は、よりユーザー企業に近い開発拠点として機能し、エンジニアに加えてユーザーにも訪問してもらい、同じスペースで迅速なアジャイル開発に取り組めるという。会議室兼トレーニングルームである「OutSystems道場」で、ユーザー向けのセミナーや教育トレーニングも行う。
両拠点は、アジャイル開発推進のためのローコード開発基盤であるOutSystemsをはじめ、他拠点と常時接続したTV会議システム、チャット、バックログ、画面共有などのコミュニーションサービスを準備している。
今後は札幌、名古屋、大阪などアジャイル開発ビジネスの拡大が見込める地域の拠点と、THE AGILE TOKYOの接続を予定しており、2018年度に新設した「アジャイル開発推進チーム」を中心にアジャイルエンジニアを200人に増員し、アジャイルビジネスの拡大に取り組む方針だ。