火星がこの夏地球に大接近している。最接近するのは31日で地球との距離は5,759万キロになり、2003年以来15年ぶりの近さとなる。米航空宇宙局(NASA)は最接近に先立ってハッブル宇宙望遠鏡が火星を撮影した画像を公開している。火星は既にいつもより格段明るくなっており、今夏中赤く輝いて見えるという。
国立天文台やNASAによると、火星は地球の一つ外側を公転しているが直径は地球の半分程度。このため火星と地球がそれぞれの軌道上で接近しないと火星表面は詳しく観測できない。火星の公転周期は687日で約2年2カ月ごとに地球に接近するが、地球の軌道はほぼ真円なのに対し火星の軌道は楕円軌道である関係から接近毎に地球と火星の距離は異なる。今回の大接近は2003年以来。31日の最接近距離は5,759万キロで、「マイナス2.8等」の明るさで輝く。03年の最接近時の5,576万キロには及ばないが5,000万キロ台の距離になるのは15年ぶりとなる。
NASAは公開している画像について、火星の南半球を捉えており、塵の嵐が広範囲に起きている様子が分かる、としている。火星の塵嵐は一回発生すると数週間は続き、南半球では数カ月も続くことがあるという。
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