米Big Switch Networksは7月26日、これまでオンプレミス向けに提供してきたデータセンター向けスイッチソリューションをハイブリッドクラウドに対応させた「クラウド・ファースト・ネットワーキング製品ポートフォリオ(CFNポートフォリオ)」を発表し、今後、順次製品を提供していくと発表した。
同社はこれまでBig Cloud FabricとBig Monitoring Fabricをオンプレミス向けに提供してきた。
Big Cloud Fabricは、DellやHPE、Acctonなどのベアメタルスイッチ上で動作するOS(SWITCH LIGHT OS)やSDNコントローラ機能などを提供。一方のBig Monitoring Fabricは、仮想マシンのモニタリング、ネットワークのモニタリングなど、可視化や分析機能を提供する。
パブリッククラウド向けのネットワーキングとモニタリング機能提供
ただ、最近は、ハイブリッドクラウドに対するニーズが高まっていることから、今回、CFNポートフォリオを発表した。
Big Switch Networks のオンプレミス製品であるBig Cloud Fabricエンタープライズクラウド版(BCF-EC)とBig Monitoring Fabricエンタープライズクラウド版(BMF-EC)は、次期ソフトウェアバージョンで、パブリッククラウド向けのネットワーキングとモニタリング機能をオンプレミスのワークロードにも適用することができるようになる(同社はオンプレミスをエンタープライズクラウドと呼ぶ)。
これらは、パブリッククラウドを仮想ネットワーク経由で利用できるAmazon Virtual Private Cloud、Microsoft Azure(vNet)、Google Cloud Platform(VPC)などのVirtual Private Cloud(VPC)の機能を、オンプレミス版として提供することで実現する。
また、AWSもしくはMicrosoft AzureパブリッククラウドのWindows/Linuxアプリケーションや、VMware、Nutanix、Red Hat、HCI、Kubernetes/Dockerコンテナ、OpenStackのオンプレミスで自動で展開できる。
これにより、As-a-Service操作、迅速なサービス展開、フローレベルの可視性などパブリッククラウドのメリットをオンプレミスで実現する。
そして、Big Monitoring Fabricエンタープライズクラウド版 (BMF-EC)では、クラウドネイティブのワークロードを含む、ワークロードのモニタリングを自動化し、ネットワーク/アプリケーショントラフィックを対象としたフローレベルのモニタリング/分析機能と、またワンクリックのトラフィック記録機能の組み合わせにより、オンデマンドのキャプチャと再生に対応したNetwork Time Machineを実現するという。
パブリッククラウドに対応する新たな製品
また、パブリッククラウドに対応する新たな製品として、Big Cloud Fabricパブリッククラウド版(BCF-PC)とBig Monitoring Fabricパブリッククラウド版(BMF-PC)を発表。
BCF-PCは、コンプライアンスチェック、レイテンシの測定や通信パスなど、AWSのアプリケーションインスタンス間のコネクティビティ確認、アクセスコントロールポリシーの配備を行う。
BMF-PCは、パケットを複製し、あらゆるワークロードやVPCから「モニタリングVPC」へと送られパケット/フローベースのモニタリングを行い、クラウドベースのツールはすべてBMF-PCに接続することで、セキュリティとアプリケーションパフォーマンスの監視が可能になるという。
さらに、ネットワーキング・モニタリングファブリックをオンプレミス/マルチクラウド、またその両方を併用する環境で、一貫して管理できる「Multi-Cloud Director」を発表。このツールでは、コントローラ、VPC、スイッチ、エンドポイントのインベントリ、コンプライアンスレポート、ダッシュボードとアラートの一元管理などを行う。
日本のカントリーマネージャーを務める田島弘介氏は、発表会において、「ハイブリッドクラウドへの需要を取り込むなどして、前年比80%以上の成長をしていきたい」と目標を語った。
Big Monitoring Fabricエンタープライズクラウド版 (BMF-EC)のVPCインテリジェンス対応機能は、7月26日より一般提供を開始し、Big Cloud Fabricエンタープライズクラウド版(BCF-EC) のVPCインテリジェンス対応機能は、2018年第3四半期中にベータ版の提供開始を予定。Big Monitoring Fabricパブリッククラウド版(BMF-PC)は、2018年第3四半期中の一般提供開始を予定。Big Cloud Fabricパブリッククラウド版(BCF-PC)は、2018年第4四半期中にベータ版の提供開始、Multi-Cloud Directorは、2018年第4四半期中の一般提供開始を予定している。